麦の海に沈む果実/恩田 陸
■あらすじ
二月の終わりに北国にある全寮制の学園に編入する事になった少女・理瀬。世間から隔絶されたその学園では、生徒たちの謎の失踪が相次いでいた。音楽会場から消えた生徒、図書館から消えた曰くつきの本、奇妙な降霊会を催す校長。そんな中、生徒たちは理世に奇異の目を向ける。曰く、「二月にやってきた転入生は破滅をもたらす」――。
※ネタバレ含みます
「三月は深き紅の淵を」に続けて読了。「三月は深き紅の淵を」の四章目はこの作品の断章的な扱いだったのですね。同じようなエピソードが出てくるので、そういうつくりだったのかーと納得。既視感がなんとも言えず不思議な雰囲気を醸していて、理瀬の抱く不安定な感覚を追体験する体感型読書体験という感じ。
舞台設定というか、独特の世界感がとても魅力的でした。閉鎖された学園と様々な謎なんて惹かれるに決まってる…!でも、様々な学園や人物の謎が次々に現れた序盤に比べると、ラストの展開が急すぎたような…。解決されていない謎や伏線も多く、そのまま続編に引き継がれるようなので少々消化不良気味です。恩田陸作品は不思議な世界感や魅力的なキャラクターがとても素敵なのだけど、いつも投げっぱなしで終わってしまうような印象がある…。
個人的には校長のキャラクターが好きでした。あのジェンダーレス感が素敵に無敵。後続の作品にも登場するのかなぁ。続編は「黄昏の百合の骨」でしょうか。こちらもkindleには入れてあるのでおいおい読みたいと思います。
■関連リンク
LION/ライオン ~25年目のただいま~ @渋谷シネパレス
■あらすじ
インド西部の田舎町に暮らす5歳のサルーは、兄の仕事を手伝おうと出かけた先で誤って回送列車に乗り込んでしまい、自宅から1600km離れたカルカッタに辿り着く。言葉も通じず、自分の住所も上手く言えないサルーは孤児となり、施設に収容されてしまう。オーストラリアに暮らす夫婦の元に養子に出されるが、故郷への郷愁は拭えないサルー。やがて、わずかな記憶と当時のデータから距離を算出し、Google Earthを用いて生家を探し始める。
※ネタバレ含みます
公開7週目にしてようやく観に行けました。決して派手ではないけど、じんわり考えさせられるとても素敵な作品でした。
5歳のサルーが迷子になってしまうシーンが今思い出してもとても辛い。帰れないまま25年の歳月が流れてしまうのだと分かっていても、なんとか帰れるように祈らずにはいられなかったです。あんなに小さい子が助けてと叫んでいるのに誰も手を差し伸べてくれなくて見てられない…。当時のインドの人々が冷たいとか酷いというより、それほどまでに社会が困窮していたのだなぁと思うとやるせない。
経済的な貧困の中では人の心もそうなってしまうよなぁ…などと思ったりした(結局サルーを警察に連れて行ってくれたのは、真っ白なシャツを着てスプーンを使って食事をするハイソな男性だったし)。そして、サルーがようやく迷子として新聞に載せてもらえたのに、母親は文盲で新聞を買う余裕もない生活で気付いてもらえなかったというのもまた辛い。じゃあどうやってあの時サルーを救えばよかったのかと考えても、最良の方法を提示することは難しいな…。なんだかきれいごとのようになってしまうよ。
そう思っていた時、映画の中ではオーストラリアに住む夫婦が現れてサルーの養父母になります。この夫婦が本当にすばらしい人格者で…。先に述べた「きれいごと」を机上の空論にせずに行って、サルーを大事に育てます。しかも彼らは体質的に子供が持てないわけではなく、「自分たちで子供をつくるより困っている子供をうちで育てよう」と決めたというのだからすごい。サルーはそこで何不自由なく育てられるのだけど、それでも故郷を思い返してしまう。いつもお兄ちゃんにねだっていたインドの揚げ菓子を口にするシーンがとても印象に残っています。憧れの揚げ菓子を食べたり、ウェットスーツを身に纏って海で楽しんだり、大学に進学して将来のために学んだり、清潔で安全な家があることさえも、故郷にいたら得られないものだけど、それでも自分のルーツは知りたいよなぁ…。
サルーが必死にノートパソコンを使って家を探すシーンは胸に迫るものがありました。あの頃の自分を助けてあげるかのように、自分が使えるようになったハードや知識を総動員して懸命に探して、様々な葛藤を経てついに家族を見付けるのだけど、それは決して幸福なだけのゴールではなくて、兄のグドゥがサルーがはぐれてすぐに亡くなってしまっていたということが辛い現実にも直面します。5歳のサルーが何度も名前を呼んでいた頃、もうグドゥは死んでしまっていたのだと思うと…。
美しい映像がとても印象深かった。上空から俯瞰で撮られた映像が多かったのだけど、それがGoogle Earthの画像とリンクしていくのがとてもよかった!タスマニアの大自然もコルカタの雑踏も懐かしい故郷も繋がっているんだなぁ…という感じで、そういうところも一貫性のある撮り方だったような気がします。
そして、サルーの幼少期を演じたサニー・パワールが素晴らしかったです。愛くるしくて元気な少年らしさに目を細めていたら、一人になってからの愁いを帯びた悲しげな眼差しがとてもせつなくて、ものすごい演技力でした。演じた当時は役と同じ5歳だったと聞いて本当に驚いた。前世は名優で強くてニューゲームしてるのかもしれない…と思ってしまうレベル。すごく魅力的な役者さんでした。どんな大人になるのか楽しみだし、子供の役は演じられる期間が本当に限られていると思うので、いろんな作品に出演してほしいなぁ。
ところで、インドでは年間8万人の子供が行方不明になっているのだそうで。サルーがギリギリのところで擦り抜けた様々な危機に飲み込まれてしまった子もたくさんいたのだろうなぁと思うとやるせない。
まったく感想とは関係ないのだけど、作中で「カルカッタ」と「コルカタ」を使い分けていた意図は何だったんだろう…?当時を知るサルーだけが「カルカッタ」と使い分けていたわけでもなかったような気がするし…と未だに気になっております。
「LION/ライオン~25年目のただいま~」オリジナル・サウンドトラック
- アーティスト: ダスティン・オハロラン& ハウシュカ
- 出版社/メーカー: SMJ
- 発売日: 2017/04/05
- メディア: CD
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ペット@VOD
■あらすじ
犬のマックスは、大好きな飼い主のケイティの元で幸せに暮らしていた。しかしある日、ケイティが大型犬のデュークを新たな家族として連れ帰ってきた。乱暴者のデュークに二人の日常を壊されたマックスは、何とか対抗しようとするが、ひょんなことから迷子になり、デュークともども保健所送りにされかけてしまう。なんとか逃げ出したものの、今度はウサギのスノーボール率いる「元ペット団」に捕えられてしまい…。
※ネタバレ含みます
近所のスパのVODにて。お風呂上りにゆるゆる観るのに最適でした。
飼い主に愛されてきたゆえちょっと自信家のマックスが、新たな同居人であるデュークの存在に焦ったり虐められたり意地悪したりデュークのこれまでの半生を知って心打たれたりのあれやこれやを経て、徐々にデュークとよき相棒になっていくのがとてもよかった。分かりやすいお話なのだけど、それぞれのペットの個性のお蔭で画面が賑やかでとても楽しいお話でした◎
最後には地下の「反ペット派」のスノーボールも新たな飼い主の元に引き取られて行くのですが、スノーボールは野良バニーとして地下で生きて行ってほしかったなぁ…などと思ってしまったり。元々ペット出身の子だったのかもしれないけど、人間に飼われるだけが幸せではないのだと主張する子がいてもよかったような気がします。現実はあんなちいさいウサギちゃんが地下で生きていけるわけではないのであのラストが正しいし、スノーボールの仲間たちは納得顔で地下に戻って行くのだけど、なんだか気になってしまった。
登場するペットちゃんたちはどの子もかわいいのですが、デブ猫のクロエちゃんがとてもかわいかった~!エンディングでみんなが愛されているところを見れたのも良かったです。あと野良猫軍団もかわいかったし可愛い顔して邪悪な子猫ちゃんもソーキュート。あと、わんこたちの「チョウチョだー!!!!!」ってはしゃいじゃって集中できないところもめちゃかわいかったです。それぞれの動物特有の細かい仕草なんかもうまいことデフォルメしつつ描き出していて面白かったなぁ。
cali≠gari △15th Caliversary"2002-2017" TOUR 13 -Hell is other people-@F.A.D YOKOHAMA
■SET LIST
OPEN 16:30 / START 17:00
ゼロサムゲーム
トカゲのロミオ
汚れた夜
蜃気楼とデジャヴ
-踏-
トイレでGO!
マグロ
ちぎられたロマンス
色悪
三文情死
東京ロゼヲモンド倶楽部
オーバーナイトハイキング
紅麗死異愛羅武勇
一切を乱暴に
淫美まるでカオスな
ファニソン
落花枝に帰らず破鏡再び照らさず
[EN1]冷たい雨
[EN1]深夜、貨物ヤード裏の埠頭からコンビナートを眺めていた
[EN2]ギラギラ
[EN2]クソバカゴミゲロ
@下手後方より
整番は300番台だったものの、早めに行ってグッズを購入。ワンコインセットみたいになってしまった…笑 メタル缶バの疾走感がじわじわきます。
整番通りに入ったもののなかなかぎゅうぎゅう。最近のカリガリさんは2階席から眺めることが多かったので、こんなの久し振りで血沸き肉踊ります。しかしここに来る前に爬虫類カフェではしゃぎすぎた上に若干貧血気味だったので、前に突っ込むのは断念して後ろの方でまったり鑑賞。ゆえにほぼメンバーは見えず残念無念。FAD初めて来たけどめちゃくちゃステージ低いのな!
時計はおろか携帯さえ持っていなかったので正確な時間は分からないのですが、結構押して開演した気がする。15分強は押していたような。ステージ下手からメンバー登場。中西さん→青さん→研次郎さん→石井の順だった気が。石井が出てきた時のどよめきからの歓声でまたすげえとんでもねえ御召し物なのだろうなと思った。顔しか見えなかったけど心の目で見えた気がした(?)。
尚、今回のアルバムツアーも初日はアルバムを聞かないで臨みました。ライブで初めて聴くってとっても贅沢で大好きなんです…。CDは発売初週に確保していて数字上は初動にカウントされているので許してください…。
「ゼロサムゲーム」「トカゲのロミオ」「汚れた夜」と、アルバム「13」通りの曲順でスタート。アルバムツアーの頭の曲が収録順なのってとても良いよねえ。入り込みやすいというか。
「ゼロサムゲーム」のカリガリっぽい不安定さと歪んだ感じがとても良い。あと、青さんがメタルパーカッションっていうのかな?上手の端にセットされていたシンバルや太鼓を叩いておりました。ノリノリ青さんかわゆい。
「トカゲのロミオ」では開始早々にベースソロ!ベースを掲げる研次郎さんとそれに呼応するように上がる手を見ただけで胸熱でした。生きててよかった!!!!!!なんて今日はいい日なんだろう!!!(※まだそれはやってない) 早々に生を実感しました。さらにこの曲ではoioiコールが自然発生。というか今回、フロアの熱量がすごい。カリガリって後ろの方はもっとまったりゆったりな感じじゃなかったっけ!?と思ってしまうほどにすごい盛り上がりでした。
「蜃気楼とデジャヴ」では石井がラストの「君と死にたい」を歌ってくれたー!なんとなくこれが石井のテンションバロメーターのような気がしてしまう。そんなことでは判断できないとは分かっているのだけど、歌ってくれると「活きがいい!!!(?)」と思ってしまう。あとここらへんで石井がスピーカーか何かに上って上半身が見えたんですが、花魁か!?みたいな衣装でした。こういう着流しっぽい衣装、マネキンの頃のロフトあたりでも着ていた気がするんだけど、その時よりも花魁感がマシマシ。というか華やか。
「-踏-」はやはり盛り上がる!まだ13を聴き込めていない人達もここでパーン!と弾けられたようで、フロアの熱気がすごいことに。やはりテンション上がります。
青さんが「トイレでと言ったら~?」に続き、客が「GO!」と返してみんなでGOGOしながら「トイレでGO!」。あたま!おしり!もみんなで再現。初披露のはずなのにライブの定番曲かよってくらい盛り上がりました。
続いて「マグロ」!トイレで~に続き、なんだこの猟奇解体メドレー!笛の音がなかったので「フッフー!」と勝手に口で再現する客たち。本当に一体感がすごい。
狂気の2曲の後にMCへ。この時点で汗だくよろよろで後方にハケてくる人が結構いたので、前方すごかったんだろうなぁ…。
- MCで研次郎さんに振ろうとしてアレ?って顔をする青さん
- 青「今日はあんまり喋らないキャラなの?」研「(ウンって頷く)」
- 青「メジャー15年って言ってもほとんど活休してたじゃんって思うでしょ?違うの!我々とメジャーとの確執が15年なの!バトル・オブ・カリガリ!」
- 研「我々?」青「私?」研「弊社」青「弊社」
- 青「まぁ来年以降は2年くらいお休みさせていただくんで」客「えー!!」青「って言っときゃみんな今回のツアー来るでしょ?」
- 青「うちの動員はプラの半分くらいじゃん?」研「またそういうこと言って」青「別にいいんですよ。もう今さら失うものなんてないじゃないですか」
あとこのMCの時だっけな、研次郎さんが唐突に「せいいちさん」ってナチュラルに本名呼びして笑った
短めのMCの後はなんと「ちぎられたロマンス」!「色悪」「三文情死」「東京ロゼヲモンド倶楽部」と続いて、ゆるゆると踊れる感じがとても気持ち良かった。
「オーバーナイトハイキング」では次々に上がる光るみっしつさん…w 青さんがボソッと「新手の新興宗教かよ…」って言っててめっちゃ笑った。カラフルな光の中での「オーバーナイト~」はコレジャナイ感がありつつもこれはこれでレアな気がするけど曲の空気感台無しで何だか面白かったです。笑 そして途中で気付いたんですが、もしかしてこれみんなメンバーカラーを灯していらっしゃる…?あのペンラ持って入ったら開演と同時に落として割りそうな気がして購入には至らなかったことを後悔しました。今だけ私の目が緑色に光ればいいのに!!!!!!!!!!
青さんが「クレイジー!」を煽りに煽って「紅麗死異愛羅武勇」!パッと明るくなるこの雰囲気いいなぁ。
- 青「みなさんヘッドバンキングってご存知ですか!?」の煽りからの一切を乱暴に…かと思いきやなかなか始まらない。ギタートラブルの模様。
- 青「大丈夫?」客「大丈夫ー!」青「いや、ギターが大丈夫かっつってんの」
- 青「音が出る内にやろう!」そそくさと演奏に取り掛かる面々。しかし開始直前でスンッ…と死ぬギター。
- 青「はいダメーーーー」この言い方めっちゃかわいかった
- そんなこんなで少々話して場を繋ぐことに。
- 青「石井さん今日喋らなくていいんですか?」後ろの方でウンって頷く石井。客が喋って―ーーって言ってたけどスルー。
- (なんやかんや時間が経過してから)青「『大丈夫です』ってなんで今なのよ!そういうのを自分で言えって言ってんのよ!」石井が先ほどの喋らなくていいのかという話に突然レスをした模様
- 研「ネットバンキングって聞こえたよ。ネットバンキングって知ってる?(客に向かって)」客「知ってるー!」今日は喋らないキャラって言ってたのにトラブルによりバーッと喋る研次郎さんに漢を見ました
- 研「無理してヘッドバンキングしなくていいからね」やさしさライセンス12段
- 研「お前らのノリが悪いと明日から13の曲が減っていくぞー!!!初日のお前らにかかっているからよろしくーーー!!!今のところは大丈夫そうでーす!!!!」手でマルッてしててかわいかったー!!
- 青「あの人(研次郎さん)は優しいからそう言うけど私は許さないから。頭を振りなさい」
- 青「村井研次郎も石井秀仁も中西祐二も桜井青もみんなヘルニアです!!!!ヘルニアのおじさん達が全力でいくぞーーーーーー!!!!!」
「一切を乱暴に」ヘルニアのおじさんたちとわりといい歳のバンギャルが全力でいったぞーーーーー!!!!!カリガリのフロアでこんなに髪の毛が舞ってるのを見たのは初めてだったかもしれない。というくらいに頭髪乱舞。いうても全体の2割くらいだったんですけど、それでもガリストがこんなに頭振ってるの初めて見た気がする。頭振れっつってんのに手首振るガリストも良いけどこんなアグレッシブなガリストもオツなものです。やせいのガリスト。
「淫美まるでカオスな」はフロアもステージも踊りまくりで大変楽しい。まさに淫美まるでカオス!
「ファニソン」では青さんがギターを持たないで上手でパーカッショニスト桜井として活動しておりました。青さんの担当はギターじゃない…桜井青なのだ…ということを再認識した。桜井青を奏でる桜井青ですよろしくおねがいします(?)!
アンコール長め。初日の興奮ゆえかガリスト独自の「しばらく休んで回復してからアンコール」が成されず、早々にアンコールが始まって焦った。いやそれが普通なんだけど
- 青「アンコールありがとうございます。次の曲は冷たい雨なんですけど」あっさりセトリをばらす青さん
- 青「オーバーナイトハイキングすごかったですね。新手の宗教みたいで」
- 青「でもやっぱりオーバーナイトハイキングは白がいいですね」
- 青「メンバーカラーも良かったですけどね。ここらへんは青が多くて、ここらへんは赤が多くて…緑は少し少なかったですね」客「えー!」青「嘘です、たくさんいましたよ緑」メンバーカラーという使い方がされるのであれば穴という穴を緑色に光らせたかった
- 青「本当は岩◯の新生姜とコラボしたかったんだけど、もうあちらはペンライトを作らないそうで…。どうにかできないかと問合せしてみたんだけど残念ながらお断りされてしまいました」
- 青「岩◯のみっしつさん」欲しいwwwww
- 青「twitterに写真を上げるとそれに対してコメントつけてくる人がいるでしょ?引用リツイートしてくる人。あれ私から見れてるのよ。『また太った』とか言われてんの」
- 青「25歳2回目中にもなるとなかなか肉が落ちないのよ!」
- 青「これでも5kgは痩せたの!タニタの体重計を買ってレコーディングダイエットをして」
- 青「今日もメイクのCに『青さんすごぉーい!ここのお肉なくなってる~!』って言われて嘘でしょ言い過ぎーって思ったら本当に結構落ちててね。褒められると伸びるタイプなのでどんどん褒めてください」
- 青「今日はライブで動くからご飯を食べないといけないのでお米を食べたんですけど…米って、シャブですね」
- 青「昨夜は行きつけのお店で美味しいパスタも頂いたんですけど…パスタも、シャブですね。さすが白い粉から出来ているだけある、シャブです」
- 青「青森来る人ー?」客、挙手。十数人くらい?
- 青「愛してる!全員抱くわ!」数を数え始める青さん。19人いました。
- 青「(スッ…と目を瞑りながら)待って、今抱いてる」今抱いてるwwwwww
- 客「ギャアアア」青「妊娠させちゃうぞ★」客「ギャアアアアアア」
- 青「ああ…女性とまぐわうことを想像しただけで寿命が8秒縮みました…」
- ここらへんで研次郎さんが登場。
- 研「なんで青森いつもやるの?」青「え?」研「お客さん入んないのになんでいつもツアーに入れるの?」青「悔しいからですよ!!!!!!!」
- 研「どこがソールドしてるんだっけ?」青「ここと新宿と新潟」研「静岡は?」青「静岡も実質ソールドアウトしてるんですよ。でもギュウギュウでやってやろうと思って。だからまだチケット出します」
- 青「あと青森って日本で一番女装人口が多いんですよ。女装って言ってもドラァグクイーンとかじゃなくて女装」研「へぇ~」
- 青「え、いいの?女装したジジイがワーッと来ても」研「そういうのはカリガリで慣れたからねぇ。お客さんも慣れてるでしょ」女装慣れした客たち「うん」
- 研「だってカリガリの一番最初のライブの後の打ち上げの時、青さんのお仲間がいっぱい来て、関係者の内の3分の2くらい青さんのお友達だったからね」青「それはすみません」
- 研「俺と秀仁くんのお皿がなくて、醤油皿使ってたもん。テーブルも開いてないから座布団の上で醤油皿使って『お疲れ様でした』って」かなしい打ち上げ
- 青「正直、青森が埋まらないっていうことは分かってた。問題は博多!」行きたかったけど3連休で遠征費が高かったんだよおおおおお!!!!!
- 研「博多にBIGゲストとか呼ばないの?」青「ピン子が出たいって言ってるんだけどねぇ」※ピン子さん…トイレでGO!のPVに出演しているドラァグクイーン
- 研「いいじゃん、出てもらおうよ」青「ピン子出てどうすんのよ!人間解体ショーとかやるんですか?ダッチワイフ持って来て?」
- 青「男性版ダッチワイフがあるんですよ、伊集院ケンって言うんですけど」研「そんなのあるの!?」青「もうすごいんですよ、いろんなところが」研「同じ名前の人どう思うんだろうね?伊集院って…。ケンってかぶってるけど俺やだよ」
- 青「ピン子で人集まるの…?」自問自答し始める青さん
- 青「でもなー…出産ショーはなー…」研「!?」この時の研次郎さんが本当にびっくりしていた
- 研「何するのそれ!?」青「そのままの意味ですよ。産むんですよ、ミカンを。そして産んだミカンを客席に投げるんですよ」研&客「ヒエッ…」
- 青「っていうかそもそもよく入るよねぇ(手でみかんの形を作りながら)」
- 青「あの子天才なのよ…」すごいしんみり言ってて笑った
- 研「会場的にそういうのやって大丈夫なのかな?確認しよう!」確認しようwwwwwwwwwwwww
- 研「だって嫌じゃん、お尻からミカンを出したから活動休止って。ツアーが博多で終わっちゃうかもしれないよ」青「4月になる前に活動休止に…笑」研「実際にステージでやる前に確認しよう!」
- 青「でもあの子最近男と別れたらしいから産卵できるか微妙かもしれない」
- 研「でもそれ本当にやって大丈夫なやつなの?確認しよう!」研次郎さんが何度も何度も確認を熱く勧めて来て笑ってしまう
- 青「博多でピン子が中西祐二解体ショーするから来なさいよ!」
- 研「アンコールもダークな曲がいっぱいだねぇ…。ダークだぁ…(セトリを見ながらしみじみと)」
- 青「そうです!darker than darknessです!」
- 青「これ(ヘッドセット)高かったぁ…」研「いいなぁ」青「作る?」研「えーいいよ、そんな二人でつけてもさぁ、なんかさぁ…」青「何か別のユニットみたいになる」
- 青「でもこれステージで動き回ってるとだんだんズレてきて…」
- 研「リハの時に青さんがそれ使ってヒゲをジョリジョリさせてきて」
- 研「黒板をキーッてやる音よりやだよ」青「うそぉ!?そんなにイヤ!?」
- 研「青さんはヒゲの人が好みなんでしょ?」青「いえそれほどでも」研「あれ?接吻した時にひげがジョリジョリするのが良いみたいなことを…」青「やだぁもぉ~~~~~~」Cawaii!!
- 研「秀仁くんはどうしたんだろうね?遅いねえ」青「(下手袖に向かって)靴擦れをした?…靴擦れをしたらしいです」
- 青「あの人いつも全力だからねぇ…」しんみり…。
- 研「13ね、新曲いい感じだよね。ファニソンとか」青「goatbedですけどね」研「あれ、今日言った?そんなっファニッソンッ♪って」青「『そんな』じゃなくて『こんな』ですよ。ちゃんと言ってましたよ」
- 研「『こんな』か!こんなっファニッソン♪」青「こんなっファニッソン♪私たちこのネタいつまで引っ張るんだろうね、リハからずっと言ってるよね」
- 研「ファニソンでギターは弾かないの?」」青「え、要ります?別に誰も私にギターを求めてないでしょ?」
- 研「えーでもさぁ、全く弾かないってどうなの?」青「音は流れてますよ、ココから(※スピーカー)。私が弾いてないだけでギターの音は出てる」
- 研「ちょっとギター弾いてシンバルも叩くのはどう?」折衷案
- 研「だってリハの時、僕も秀仁くんも口あんぐりだったよ」青「弾こうと思えば弾けるんですよ、ファニソン簡単だし。でもギター要ります?いらなくないですか?」研「えぇ~…」梃子でも弾かない青さん
- 青「ギターテクなんか求めてないでしょ」研「味があっていいと思いうけどね。でも年々ギター上手くなってるよね」青「フフフ(ドヤ)」客「かわいいー!」青「知ってる(即答)」
- 青「先日はもう、芸能人の方の番組に出させていただいて。やっぱり西川さんはカリスマだった」※西川さんのイエノミのこと
- 研「頭の回転がすごく速いんだよね。何話しても全部拾ってくれるし」青「言おうと思ってたことほとんど言われた」
- 青「アンケート色々答えてたんだけどほとんど西川さんの思い出話になっちゃって…笑」
- 研「あれ何書いた?」青「何書いたの?」研「某バンドの人と青さんが親戚だとか」青「あぁYUKKE?」あっさり言う青さん。親族から密室系が2名排出されるってすごい家系だな
- 青「でも15周年終わったら本当にしばらくライブやらないからね、2年くらいは」研「そうなの?」
- 青「もう全員で一回ヘルニアの手術しよう」研「あ、手術しようか」そんなちょっとみんなでコンビニ寄ろうかみたいなノリで
- 青「最近はこっちの方まで痺れちゃって(※右手を示す)」 研「早弾き出来るようになるんじゃない!?ドゥルドゥルドゥルドゥルドゥル(※手を震わせながら)って!」ポジティブ~~~~~~!!!!
- 研「手術して帰って来たらバカテクになってたらどうする?ギターの位置こんなで(鎖骨の前くらいの高さ)ギュイーンって」青「顔ギター(笑)」
- 研「この曲は目黒のスタジオに籠って青さんと作ったんだよねぇ」青「アコギでこんな感じ!ってやりながらねぇ。研次郎さんは」
- 研「あの頃は結構アコースティックなバンドだったんじゃない?」
- ぬるっと石井が登場してずるずるとMC終了。
- 青「…はぁ、じゃあ行きますか」研「やりますか」そしてアンコ1曲目へ。
そして始まる「冷たい雨」。さっきまでのゆるゆるした面白MCの空気がイントロだけで一変するからカリガリはおそろしいバンドですね…。それから、「深夜、貨物ヤード裏の埠頭からコンビナートを眺めていた」。海の多い横浜でこの曲ってなんだかいいなぁ。
2度目のアンコールは先ほどより早めに登場。会場の熱気冷めやらぬ内に攻め攻めに「ギラギラ」「クソバカゴミゲロ」!ラストは石井が客席に身を乗り出して…というかむしろもう乗っかっていました。下からがっつり支えられてるなーと思ったのですが、石井的にはこういう感じだったらしい。
そう言えばですが
— GOATBED.official (@GOATBEDofficial) 2017年6月3日
足首近辺を支えてくれた方々
大変ありがたかったのですが
飛びたかったのですよ
意思の疎通とは
なかなか難しいものですね
本八幡で最前列を陣取ってしまう方々
膝が入りやすい会場ですから
しっかりガードしてくださいね
盛り上がりに盛り上がって終了!青さん、ハケてく時にも「青森来なさいよ!」って言ってた。笑 おそらく公演時間は2時間半くらいなのではなかろうかと。これまでのオールスタンディングのハコでのカリガリライブと比較すると少し長めかなという印象です。他の公演のご参考までに~!
あと、MCで何かの流れで青さんが「SPECホルダーかよ…」って呟いたんだけど、何の流れだったのか忘れてしまった。ご存知の方がいらっしゃいましたら教えてください。気になる…笑
ライブ終わりに配布CDをゲット。今回の御朱印がちゃんと押されているのね!御朱印が気になりつつも全通するわけでもないしなぁ…と思っていたんですが、ケースに押してもらえるなら嬉しいなぁ。
CDの中身は石井でした~!あと4公演あるので上手いこと揃ってくれたらいいのだけども、クジ運が悪いのでどうでしょう。コンプリートどうでしょう。
ライブの後はぼっちなのに中華街で中華コースをキメてきました。せっかくだからどうしても中華が食べたくて…笑。ライブの余韻を噛み締めながらの激辛陳麻婆豆腐最高でした~!酒に合う…さいこう…。
今回のツアーは本八幡、新宿、札幌×2に行く予定です。どんどん増える魔界の御朱印ロードの魔物たちと共に育つ13の曲たちを愛でていきたいと思います。レッツ暗黒百鬼夜行!
■関連リンク
1ラウンド行って来ますかね
— GOATBED.official (@GOATBEDofficial) 2017年6月3日
宜しくお願い致します pic.twitter.com/9V4EdbCaHv
横浜MONSTER
— GOATBED.official (@GOATBEDofficial) 2017年6月3日
なかなか良いラウンドでした
明日も頑張りますので宜しくお願い致します pic.twitter.com/Msl1F4uq0O
ラウンド中に一体何があったと言うのか。ところで石井のこの衣装の腰のベルト、ディ○ニーのイースターのグッズという噂は本当なんです…?
【ツアー13初日御礼⭐︎】
— 桜井〝今日は聖地ロフト⭐︎〟青さん (@ao_sakurai) 2017年6月3日
頚椎エクスプロージョン⭐︎
生きてるって感じなくらい痛い⭐︎
明日も遊びましょーねー⭐︎
(˶‾᷄ ⁻̫ ‾᷅˵)
カリガリの皆さん、ごめんなさい…。 https://t.co/HJwAuQNCWE
— 岩下 和了 (@shinshoga) 2017年6月5日
まさかの岩下の新○姜社長の謝罪ツイートが。笑
初日のダイジェスト映像!序盤ほんとうに全然ステージが見えなかったので、こんな感じだったのかーと今更ながら理解しました。見えなくても全然楽しかったのだけどもね!
画像多めで良い記事です◎
スプリット@池袋ヒューマックスシネマズ
■あらすじ
クラスメイトのクレアの誕生日パーティに招待された女子高生のケイシー。ケイシーに迎えが来ないのを心配したクレアの父親は、クレアの親友のマルシアと共に車で送ることにする。荷物を整理する父親を社内で待っていた三人だったが、突然助手席に見知らぬ男が乗り込んで来て、地下室に監禁されてしまう。密室で目を覚ました三人の前に再び現れた男は、どうやら多重人格者らしい。男の目的とは一体何なのか――。
※ネタバレ含みます
多重人格者によるサスペンス。そしてシャマラン監督なんて最高の組み合わせです。ケイシーの過去の映像と並行して物語が進んでいくので、過去に何があったのか、過去の出来事とこれから迎える展開はどのように繋がるのか…と考えながら見るとワクワクでした。すごく面白かった~!
ケイシーの落ち着きっぷりが不思議だったんだけど、虐待を受けていたとは…。それを踏まえると、最初にクレアが男に部屋の外に引きずり出された時の「おしっこしちゃえ」は自身の経験譚だったのだなぁと。相手を刺激しないように努めるのも、すべて虐待から得た対応だったんだなぁ…と思うとせつない。
お父さんから狩りの教えを教えられるシーンは最後にビーストを撃ち殺す時に活きてくるんだろうな…などとベタなことを考えていました。しかし実際はケイシーは叔父から虐待を受けており、その傷跡(自傷痕)に気付いたビーストが「お前は俺と同じだ」としてケイシーを逃すという流れ。これからケイシーはどうなってしまうのだろうと思ったのだけど、これまでに銃口を向けた叔父もビーストも殺せなかった彼女は、一線は超えないような気がします。その代り、彼女なりのやり方で戦えるようになったんじゃないかなぁ…と、最後の女性警官に向けた視線を見て思った次第。幸せになってほしいよぉ…。
ラストの警官が踏み込むシーン、歯ブラシや服のラックなどに生活感が滲み出ていて、それぞれの彼らが確かにここに存在していたということがありありと伝わって来て泣けた。歯ブラシが陽射しに照らされているところがなんだかやけに印象深い…。そして迎えたエンドロールで、メインとなるエンドロールの背後に24分割になった同じ映像が流れていて鳥肌でした。「多重人格の一人の男」の物語ではなくて、「二十四人の人間の物語」だと言っているようで、あのエンドロールとてもよかった。
そして何より本作、マカヴォイの演技がすごい。とんでもねえ。序盤の切り替えもすごかったんですが、終盤のケイシーがケビンの名前を出して以降の切り替わりがすごかった。ラストの鏡の前で話すシーンも、完全に別人のように表情が変わっていくのがすごい。目の光さえ変わるのすごすぎない?ケビン、バリー、デニス、パトリシア、ヘドウィグ、そしてバリーのふりをしてるデニス…と演じ分けが完璧ですごい。英語が分からなくて口調から判断できなくても別人だって分かるのが本当にすごい。役者さんってすごいなぁ…。
残念だったのは「アンブレイカブル」未視聴のためところどころ理解が追い付かなかったということ…。最後に出てきたダンはアンブレイカブルの主人公なんですね?電車で花を手向けていたのは「アンブレイカブル」で起こるという列車事故と関連があるのかなぁ。とにかくグラスまでにアンブレイカブルを観なければ~!ちらっとあらすじを確認してみた限りめっちゃ面白そうな気がする。
■関連リンク
哭声/コクソン@UPLINK
■あらすじ
韓国の小さな村・コクソンの警察官・ジョング。ある日、村人が自分の家族を惨殺する事件が連続して発生する。犯人は目が濁り、体中に湿疹が現れ肌が爛れていた。そんな中、山の中に住む日本人の男に奇妙な噂があることを知ったジョングは、同僚と連れ立ってその男の家へと向かう。そこでジョングが目にしたのは、鬼のような男の姿だった。
※ネタバレ含みます
気になっていたのにことごとく上映時間が合わなくて見逃し続けていたコクソン、ようやくアップリンクで観れました!ジャンルは…何なんだろう。観終わった今でもわからない…。警察モノかな→サスペンスかな→ホラーかな→感染パニック系かな→コメディかな→ゾンビかな→やっぱりホラーかな→…何だったのかな???という感じ。予想外の展開が次々に起こりすぎて、本当になんだったんだろうこれ…。観終わった今になっても正直よくわかりません。
主人公の警察官・ジョングがなかなかポンコツで、ホラー映画のセオリーである「なんでそんことを…」を次々とやらかしてくれる様はある意味爽快でクスッと来てしまうほど。あいつ本当にいらんことばっかりする!疑惑の段階で激昂して犬まで殺してしまって、もう無事に生還するルートはなくなったなと思ったら案の定次々にえらいことが沸き起こり、バッドエンドへ全力で駆けて行きました。無茶しやがって…。
殺人を起こしているのはあくまでも村の人間で、作中に描かれる「呪い」に本当に効果があったのかは定かではありません。さらに、ジョングは何度も日本人の男に関連する幻影を見ていたことを踏まえると、ラストの鬼に変化するシーンも非現実であった可能性もあるし、もしかするとほとんどがジョングの見た幻だったのかもしれない。怪異は何もなくて、報道されていた毒キノコによる幻覚が原因だったのかもしれない。でも、あの男が人々を操っていたのかもしれないし、あの祈祷師かもしれないし、あの女かもしれない。疑心暗鬼になった男たちの目に「彼」や「彼女」がそう見えただけなのかもしれない…などと思い始めるとなんとも深い。
ところで日本人の男の家の裏でゾンビ的なサムシングと遭遇するシーン、画面の地味さと男たちの狼狽っぷりも相俟ってちょっとコントテイストになってしまっていたんだけど、あれは笑っていいシーンだったんだろうか…。笑
男A「ウワアアアアアアアアアアア(発見)」
男B「ウワアアアアアアアアアアア(気付く)」
男C「ウワアアアアアアアアアアア(殴りかかる)」
男D「ウワアアアアアアアアアアア(襲われる)」
隣の人「ン゙ッwwww(こらえてる)」
逆隣の人「…!(ビビってる)」
真ん中の私「…(審議中)」
みたいな状態になってすごくシュールだった。捉え方は人それぞれだな~と思いました!(うまくまとめたつもり)
あと、呪術バトルのテンションの高さがすごいと思った。すごすぎて語彙力が小学生になる。すごい。なんだあれ!?あの時、娘に呪いをかけていたのは日本人の男ではなくて祈祷師で、日本人はそれを止めようとしていた可能性もあるのかなぁ。そして、日本人の男も祈祷師もふんどしを使っていたのが気になる…。韓国のふんどし文化には疎いのですがというか大抵の日本人は疎いと思うのですが、ジョングの仲間がふんどしのことを「オムツみたいな下着」と形容していたので多分ふんどしの存在は知らないんだよな…?なんでわたしはこんなに真剣にふんどしについて考えてるんだろうな?ギップリャ!
いやもう本当に捉え方が無限大すぎて延々ぐるぐる考えてしまう。そもそも正解はあるのかないのかさえわからないよ。どうなんでしょうこれ。いろんな人の感想をお聞きしたいなぁ。
上映終了後、場内が明るくならなかったのが一番怖かったです。笑 これ絶対國村準が出てくる流れじゃないですか知ってる!今さっき見た!!
キング誕生 池袋ウエストゲートパーク青春篇
■あらすじ
池袋のトラブルシューター・マコトと池袋を仕切るGボーイズのキング・タカシが高校生だった頃の物語。都内やその近郊でのカラーギャング抗争が激化する中、タカシの兄・タケルは周囲からボスと慕われながら池袋の街を治めていた。しかしそんなある日、タケルの身に危険が迫る。
※ネタバレ含みます
IWGP第一作の二年前という設定の本作。マコトもタカシも高校2年生で、まだ池袋にGボーイズが誕生する前の話であり、タカシが氷の王様になるまでの話でもあります。本編での設定や時代背景と少し整合性が取れないところ(Gボーイズの先代キングは存命であるかのように話されていたような…とか、マコトが高校生だった頃に「オレオレ詐欺」も「キラキラネーム」も名称として存在していないよなぁ…とか)がちらほら出てくるのだけど、IWGPはサザエさん方式なのだと思えば解決するのでそう思うことにしました。
高校時代のマコトも昼間から街をぶらついて日本を憂いていて、自分の知ってる今のマコトと同じで和んだ。一方、タカシは少しシャイで神経質なイメージ。これまでタカシの素性はほとんど描かれていなかったので、家族構成やどうやってあんなに強くなったのかまで描かれていて驚いた。タカシはいいとこのボンボンっぽいイメージがあったので、意外な出自だったなぁ。
マコトもタカシも高校生らしく時にやんちゃで無茶もしていて、こっそり卒業アルバムを見てしまったような気持ちで微笑ましく見ていたのだけど、二人が直面したことは高校生にはあまりにも重すぎる。タカシがフッとスイッチが入ったように「キング」になる瞬間は少し悲しかったなぁ。誰よりも近い距離でそれを見て、最後まで見届ける覚悟であろうマコトという二人の関係への理解がますます深まった気がします。本編の方の新刊はまたすこし違う気持ちで読めそう。
そしてやっぱり、マコトの母ちゃんは良いキャラだなー。できたての夜ごはんは絶対にマコトから食べさせるっていうのになんだかホロリときてしまった。はらぺこの子を放っておけないおかあちゃんって良いな。ドラマの森下愛子のイメージが強くて、小説でも森下愛子で脳内再生されるんですが、強く優しいかあちゃんの存在のお陰でつらいシーンも乗り切れた気がします。
やっぱりIWGPは良いなぁ。文庫派なので手に取るのが年単位で遅れてしまっているけど、新作も楽しみです。