セールスマン@シネマカリテ
■あらすじ
教師のエマッドは妻のラナと共に劇団に所属し、「セールスマンの死」の舞台初日を控えていた。そんな中、アパートが老朽化し引っ越しを余儀なくされる。しかし、転居して間もないある晩、ラナが何者かに暴行を受けてしまう。ラナが真相について一向に語ろうとしな中、犯人の手掛かりを見つけ出したエマッドは自力で犯人捜しを開始する。
※ネタバレ含みます
イラン映画なのですが、わたしの知っている世界とまるで違う常識に溢れていて、ストーリー以前に理解が追い付かないことばかりでした。女性が暴行されても警察に行けない上、行ったとしても、被害者であるはずの女性に非があるとされる場合もあるのだとか。とにもかくにも男性主導で、女性は言葉少なに従うのが当たり前で、そういうシーンを目にする度に悶々としてしまった。わたしはまるでこの国のことを知らないのだなぁ…。
ラナを襲った男はパン屋の主人であることが判明。男と対峙したエマッドは、結婚を控えている娘とその婚約者、そして35年連れ添ったという妻に事実を話せと詰め寄ります。その必要はないと諌めるラナを黙らせ家族を呼び付けるものの、男は心臓発作に襲われてついには命を落としてしまう…というなんとも後味の悪いラストでした。
劇中劇『セールスマンの死』の上演シーンが何度となく挿入されるのですが、穏やかだったエマッドが徐々にセールスマン役と同化していくように変化していく…ということを表していたのかな。ラナが感情を露わにして反論するのも劇中だけだったような気がする。なかなか難解で消化しきれていないのだけど、そもそも劇中劇であるこの作品をを観ておくべきだったな…。
■関連リンク
釜飯と串焼き 麻鳥@浅草
浅草観光ついでに遅めのランチにふらっと立ち寄ったこのお店。なんとなく入店したものの、大当たりでした!昔ながらの畳み敷きのお座敷席に掘りごたつ。そして店員さんのあたたかな接客がうれしいー。
初夏限定の穴子の釜飯をオーダー。通常は20分前後とのことですが、混んでいたので30分かかるとのこと。お茶を飲みつつあれこれ喋っていたらあっという間に釜飯登場。パカッとする瞬間の幸せよ…。フワッフワの柔らかい穴子が3枚。葉山椒&実山椒がピリッと効いてめちゃめちゃ美味い!あー初夏の味。しあわせ。
そして釜飯と言えばおこげです。穴子の甘しょっぱいタレとカリッとしたおこげという最高の組み合わせ…。ほっぺが落ちるかと思った…。けっこう量があったのですが、余裕で完食してしまいました。
お店の外観はこんな感じ。レトロでオシャンでとってもすてき。串焼きもおいしそうだったので夜も行ってみたいなぁ。
ふなわかふぇ@浅草
JK時代から舟和の芋ようかんが大好きで大好きで、甘い物があまり得意じゃなくてもこれだけは食べれたので、スイーツ気分なときはよく買って帰ったものです。渋い女子高生だな…。
そんな舟和にカフェができたそうで、浅草観光ついでに連れて来てもらいましたー!控えめに申し上げて楽園!ヤッター!!ちょうど夕方の休憩タイムということもあって店内は大混雑。自分で席を確保してから注文するスタイルです。3人だったので無理かなーと思ったら、ちょうど席が空いて座れてラッキー。
夕飯を控えていたけどせっかくだしどうしても食べたい!ということで一番人気の芋ようかんソフトパフェをオーダー。これが想像以上に最高…!お芋ソフトクリームに芋のペースト、生クリーム、お芋クリーム、芋ようかん…という芋芋しいトッピング。ちょこんと添えられた缶詰のみかん&さくらんぼもレトロ感があってかわいい。見た目通りの素朴なお味でどこを食べても優しい甘さで癒されました。パフェっていつも食べきれないのだけど、これは甘さ控えめでボリュームもほどよくてぺろっと完食。
ホットの紅茶も種類がたくさんあってとても良い!この日は歩き回って暑かったのでアイスティー(アイスは一種類だけど日替わりでいろいろな茶葉が用意されている模様)にしたのだけど、店内は空調が効いていてだいぶ寒かったのでホットでも良かったなー。次はホットにしたいです。芋ようかん単品でも注文できるので、美味しい紅茶といもようかんでさっくり過ごすのもアリかと。
お店もとてもかわいいです。メインの店舗の手前に屋外のテラス席、店舗奥に温室みたいなガラス張りの屋内席もあって、席数はけっこうあります。回転もわりと早いので、席が塞がっていても諦めずに奥まで店内を確認すべしです!
- ジャンル:カフェ
- 住所: 台東区雷門2-19-10
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- (写真提供:りんりんりりん)
ローガン@池袋HUMAXシネマズ
■あらすじ
ミュータントが絶滅の危機に瀕しつつある近未来。25年に渡り新たなミュータントは誕生せず、ウルヴァリンとして名を馳せたローガンは、すっかり衰えていた。プロフェッサーとしてミュータントを纏め上げていたチャールズも年老い、今ではローガンが介護をしながら日々を送っていた。そんな時、見知らぬ女からローラという少女を託される。ローラを狙う武装組織の襲撃に遭いながら、チャールズを連れての逃避行が始まる。
お休みを取ったので朝イチ映画に繰り出しました。雨の平日の午前中の映画館は空いていて特別感マシマシでとても良いですなぁ。
X-MENは全然わからないのに観ました。無謀かな~と思ったんですが結論から申し上げますとメチャメチャ泣いた。ウグッ…って声出そうになるくらい泣いた…。感想をしたためますがファンの方からしたら「何言ってんだ」的なことを口走っているかもしれません。シリーズ未見のポッと出の者がなんか言ってる…程度になまぬるく読み流していただけますと幸いです。
まずそもそもの話になるんですが、ローガンとプロフェッサーが老いているということが衝撃だった。アメコミヒーローというと筋肉ムキムキですごく強くて最盛期の真っ最中で、いついかなる時も心身共にずっと強いままというイメージがあったのです。序盤のシーンで噛ませ犬感アリアリのチンピラにボコボコにされてしまうシーンがつらすぎる…。介護費用&いつか手に入れる船「太陽号」のためにタクシー運転手として日銭を稼ぐ様もヒーローの晩年としてはあまりにせつない。
終盤でローガンが注射を使って一時的に力を取り戻すシーン、戦い方がローラそっくりで…。ローラはコミックスの中でこの戦い方を見て、憧れたのかなぁ…なんて思ったりもしました。…という話をウルヴァリンから知っている友人にしたところ、「序盤の隠れ家でローラが戦うシーンで『ウルヴァリンの戦い方だー;;;;;』って号泣沙汰だったらしい。笑 あ、あとローラが足先にから刃を出すのがバレエのトゥシューズみたいで綺麗で格好良かったなぁ。
そしてやっぱり一番ガツンときたのはラストシーン。ローガンが眠る上に立てられた十字架をローラが「X」の形にするのにグッと来ました。ローラにとってこの世に神様なんていなかったけどX-MENはいたんだよなぁ…。祈りの言葉は知らないけど、チャールズと観た映画の中の言葉を述べることはできたし、ローラなりの弔いの方法をちゃんと見出せていて、そんなところにもローラの成長が見れて良かったです。ローラの存在のお蔭で、死=終わりではなく、一人の人間としてのローガンも、ヒーローとしてのウルヴァリンも救われたのではないかなぁ…。彼らの苦しむ姿を見ているとただ単に「生きていればいい」とは思えなかったので、幕引きを迎えることができて良かった。もちろんすごく寂しいし辛いのだけど、あの子供たちは自分たちのために闘ってくれたヒーローがいたことをずっと忘れないと思うんだ…。
ところでうちの会社にノースダコタ出身の人がいるんですが、いつも「ノースダコタには何もない。マジで田舎。何もない」ってdisりまくるので、「ノースダコタを目指す映画を観たよ」と教えたところ、だいぶ困惑した表情で「えっ…何をしに…?」って言われて笑った。エデンに行くんだよォ!!!!!!!!!!!!!!!
深セン@日暮里
ずっと気になっていたお店にようやく行けました!嬉しい~!なんだか不思議な雰囲気の夜の日暮里の坂を上ったところにぽつんとあるこのお店。店名は中国広東省にある市の名前…だと思われます。正式な漢字表記は「深圳(土編に川)」。店内はカウンターのみ8席というシンプルなつくりですが、楽園でした。大成功ですめっちゃ美味いです神の店です。
平日の21時半すぎに到着したところ、店内に人はゼロ。だったのですが、ぽろぽろとお客がやってきてあっという間に半分ほど埋まってました。オーダーしたのは「ラム肉とパクチーの炒め飯 スパイス醤油味」!ものすごいビジュアルでやってきました。パクチー好きにはたまりません。実質もう森です。森。店長さんと思われる方の腕がムキムキだなぁと思ったら、でっかい鍋をジャカジャカ振っていて納得。すげー!作っている様子が見れるのもカウンターの魅力です。楽しい。
パクチーの森の下にはピリッとスパイシーな醤油で炒められたラム肉とたまねぎとにんじんが。しっかり味のついたラム肉とほどよく炒められて、甘~い野菜が最高においしくて一口食べただけでテンション爆上げでした。うまい。マジでうまい。めちゃくちゃうまい。うまい~~~~~~~最高~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!ほどよくピリ辛でお酒の欲しくなる味だったんだけど、ドリンクはビール各種しかなかったので断念。酒が…できたらサワー系の酒が欲しい…!
付け合せの薬膳スープはなんとも不思議なお味でした。薄味なのだけど、ちょっとお出汁っぽいようなそうでもないような。でも漢方的なクセはないので苦手な人でも大丈夫かと。現に薬膳系が苦手な私もおいしくいただけました。そんなそしてぽつんと浮いたトマトがさっぱりしていて美味。杏仁豆腐は甘いけどちゅるっと食べられて食後にぴったりです。乗ってるのがオレンジというのもさわやかに〆られてとっても良い◎
ご飯が1合分くらいあった気がするけど美味しすぎてペロッと完食してしまったんですが、後から来た方達が次々に「ごはん少なめ」でオーダーしててちょっと恥ずかしかった…笑。もう本当にめちゃくちゃ美味しくて永遠に食べていたいくらい美味しかったです。絶対にまた行くぞー!
- ジャンル:広東料理
- 住所: 荒川区西日暮里3-14-13 日暮里コニシビル1F
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- (写真提供:Hot Plate)
アイムノットシリアルキラー@シネマカリテ
■あらすじ
アメリカの田舎町にある葬儀屋の息子・ジョンは、殺人や死体に興味を抱く反社会的な傾向のあるソシオパスであると診断を受ける。カウンセラーによる面談を受けていたある日、ジョンの住む町で連続殺人事件が発生する。葬儀屋に運び込まれた遺体からは、内臓の一部が抜き取られていた。興味を抱いたジョンは殺害現場を巡り始めるが、やがて犯人の正体を突き止めてしまい――。
※ネタバレ含みます
「ジェーン・ドゥの解剖」に続き、松竹エクストリームセレクションの第二弾!ソシオパスVSサイコパスと聞いてワクワクが止まらず公開初週に行ってきました。劇場内にはこんなパネルもセットされていて高まる~!周りの画像は順番にチカチカ点滅する仕様。面白いなー。
予告で近所に住む老人・クローリーがサイコパスであることは明かされているのだけど、何も知らずに見た方が楽しめたかもしれない。序盤にクローリーの犯行現場が何度か繰り返されるのですが、凶器が何なのかわからなくて悶々としていたら、なんとクローリーは人外でした!というオチ。オチがポコーン!と勢いよく斜め上に飛んでいった感。タイトルはジョンのことではなくクローリーのこと(もしくはジョンとクローリーのこと)だったのか…。確かにクローリーはサイコパスではないな…サイコパスどころではないな…笑
クローリーは一体何だったのかということには言及されません。悪魔のような、いずれにせよ人間以外の存在であることは確かなのだけど。ただ、クローリーの目的は「朽ちていく自分の臓器や部位を再生させるため人からそれを奪い取る」ということでした。元は一緒に死んでいくつもりだったところ、自分の方が先に老いてしまって妻を一人残すことができなかったのかもしれないと思うと少しせつないなぁなどと思ったのですが、「見つかっていない死体もある」と言っていたので昔から凶行を繰り返していたのだろうか。それ次第でけっこう感想が変わってくるなぁ。
オープニングとエンディング曲が謎のポップさで笑ってしまった。ストーリーにも音楽にも謎のメリハリがつけられていたけど、そんなに高低差出さなくていいよ!笑
あと、まったく気付かなかったのだけど、ジョン役は「かいじゅうたちのいるところ」のあの男の子だったのですね…!そしてクローリーはBtFのドク!?本当に言われるまでまったく気付かなかった…!私の目は節穴です!
メッセージ@シネマサンシャイン池袋
■あらすじ
地球上の12か所に巨大な飛行物体が現れた。政府や軍が対応に追われる中、言語学者のルイーズは飛行物体の中の生命体の言語を解読するよう依頼を受ける。謎の生命体と対面したルイーズは、彼らが使う言語の解読を始める。彼らが地球にやって来た理由とは一体何なのか。
※ネタバレ含みます
ある日突然地球にやってきた宇宙船と対峙する登場人物たちを描いた作品というと、パニックからのアクションからのヒューマンドラマ!感動!そして感動!みたいなものを想像してしまうのですが、そのどれにも当てはまらない淡々とした静かな作品でした。未知の生命体の存在を目の当たりにしてもその存在を受け入れて歩み寄り始めるというのがなんだか新しい。
言語と思考には密接な関係があるという説は大変興味深いのだけど(「虐殺器官」とか)、この作品もサピア=ウォーフの仮説に言及されてたのですが、そのあたりをストーリーに落とし込むとこうなるのかー。ヘプタポッドたちの言語を理解したことにより、思考の中での時間の認識(というのだろうか…)が変わって現在と過去に加えて未来が見えるようになるということ…なのだと思うのだけどよく読み取れていないかも。この設定、ややこしくも面白い。物語の合間に挿入されるルイーズと娘の思い出が過去の出来事ではなくこれから起こる未来のことだったとは思いませんでした。すごいなぁ。知的好奇心をビシバシ刺激されるよき作品でした。考えれば考えるほど面白い…!
宇宙船のデザインや構造もとても良かったー!ただ空に浮かぶだけの宇宙船・通称ヘプタポッドはさながら前衛芸術作品のよう。船内の大きな窓の感じや壁面の質感もも、瀬戸内あたりの美術館のような雰囲気があってビジュアル的にもとても良かったです。SFちっくな宇宙船も格好良いけど、より一層謎の来訪者感マシマシでした。内部がどうなってるのかとか、何がいるのかとか、まったく想像つかなかったもんなぁ。発想がすごい。ばかうけとか言われた監督がちょっとかわいそう…笑