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失踪HOLIDAY

 

 

「しあわせは子猫のかたち」「失踪HOLIDAY」の2話を収録。

 

■あらすじ

【1】しあわせは子猫のかたち
人と付き合うのが苦手な主人公はあえて家から遠い大学を選び一人暮らしをはじめる。伯父から紹介された家で一人暮らしをはじめたがそこは、前に主人が強盗に殺されたいわく付きの家だった。
前の主人、雪村が住んでいたときのままになっていた家で、そこで飼われていた猫と供に住み始める主人公。そこには目には見えないが雪村がまだ住んでいた。奇妙な二人での生活の中で不思議な関係が芽生えていく。

【2】失踪HOLIDAY
物語の主人公菅原ナオは幼いころ母と二人きりの家庭で育った。その後母は菅原國光と結婚するも、二年後に母が亡くなる。ナオは血のつながりがない菅原家を追い出されるのではないかと不安に思ったが、そのようなことはなかった。14歳の4月、父國光はキョウコと再婚したが、ナオとキョウコは衝突することが多かった。
14歳の冬休み、ナオはキョウコとの些細なけんかがきっかけとなり家出をし、家の離れに住む使用人楠木クニコの部屋に住み込みはじめる。
ナオは一度は家に戻ろうかとも思ったが家族達が幸せそうにしているのを見て、疎外感を抱き思いとどまる。不愉快なナオは悪戯心から狂言誘拐を考える。脅迫状を家に届けさせ満足するナオだが警察が動き始め、自分を嫌っていると思っていたキョウコまで落ち込んでいる様子を見て後悔を覚える。

Wikipedia失踪HOLIDAY」 2013年12月5日 (木) 17:15(UTC)より

 

kindleにて

久し振りの角川スニーカー文庫。またしてもkindleセールで購入です。kindle本はほとんどセールのものばかり読んでいるなぁ…。そう言えば、挿絵のある作品を読んだのは十二国記振り&電子書籍では初でした。kindle版でもちゃんと表示されるんだね~。かわゆい。

そんなこんなで久し振りの乙一先生です。「しあわせは子猫のかたち」「失踪HOLIDAY」の二作品を収録。「GOTH」等のようないわゆる『黒乙一』ではなく、二本とも『白乙一』なお話でした。

【1】しあわせは子猫のかたち
幽霊の女と幽霊の子猫との奇妙な生活を描いたお話。わたしもできるだけ人と関わりたくない派なので、実社会で生活をしながらもそこに溶け込めない主人公の心情がものすごくよくわかる…ほんまそれ…それな…。

何だか読んだことがある気がする…と思ったら、「失はれる物語」に収録されていた模様。でも何故だかストーリーをほとんど覚えていなくて、なんでだろうか。謎。

【2】失踪HOLIDAY
なんともかわいいクソガキお嬢様。序盤は嫌なガキだなあと思ったものの、意外とあれこれ考えていて徐々に可愛く思えてきました。そしてこの子だけじゃなく、他の登場人物もあれこれ考えていて…という展開がきれいにキマって読後感もよかったです。

こ れ、中高生の感想も知りたいなー。自分視点だとやっぱり主人公が一生懸命で可愛いな、と思ってしまうんだけど、あの年齢の子から見たら自分の不在時に親 (しかも血が繋がっていない上に確執もある)に部屋に踏み込まれるなんて大問題であって、それについて真剣に抵抗してナオは決して間違ってはいないと思う。一生懸命で全力な少女のパワーはせつなくもありかわいくもあり。

 

しかしそろそろ黒乙一なお話も読みたいなぁ…。