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さよなら、人類@YEBISU GARDEN CINEMA


映画『さよなら、人類』予告編

 

■あらすじ
ワインを開けようとして心臓発作を起こす夫と、背後で夫が死を迎えているのに気付かない妻。天国に持って行くからと宝石の詰まったバッグを手放さない老婦人。船のカフェテリアでオーダーしたビールを受け取る直前に死んだ男。面白グッズを売り歩く男二人組が行く先々で出会う人々。様々な人々の哀愁漂う日々の綴られた39シーン。

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平日に有休を取って呑気に映画鑑賞です!昼までがっつり寝てやろうと思っていたものの、こちらの上映が10時20分ということで 会社に行くのと変わらぬ時間に出発。出社はギリギリだというのに遊びだと余裕を持つタイプのクズなので早めに到着。優雅にパン屋さんで朝食をば。うまい。

リ ニューアルしてからこの映画館に行くのは初めてだったのですが、相変わらずきれいな建物だったなぁ。最近にしては珍しいくらいミニシアター然とした映画館 なので頑張ってほしい…ので、これからちょくちょく行きたいな。気になる映画もいくつかあることですし。ローマに消えた男とか!

そんなこ んなで観て来たこの作品。面白かったかどうかと言われれば面白かったとはっきり答えられるんだけど、この映画の意味が分かりましたか、と言われたら分から ん、という感じ。一つ一つのシーンは美しいものの、ストーリーとしてどう繋げていいのかはわからない。まるでクロッキー帳やばらばらのプロットをぱらぱら と捲っているような感覚になります。

とにかく画面が印象的。どこか色の抜けた淡い色彩に、固定された視点。絵画からインスピレーションを 得て制作したのだとか。その中にピーテル・ブリューゲルの名前があって納得。あの引きの画像は確かにブリューゲルブリューゲルの版画が大好きだったの で、チラシを目にしてこの映画に惹かれたのもなんだか腑に落ちた。

そんな中でもとくに印象的だったのが、若い軍人たちがバーのマダムに酒 代の代わりにキスをするシーン。あと、奴隷らしき人々が大きなドラム缶のような設備に押し込められ、火を付けて蒸し焼きにされるシーン。いくつか開けられ た穴からは断末魔の叫びが響き、さながらファラリスの雄牛の様相。そんな様子を眺めながらワイングラスを傾ける正装した老人たち。…というシーン。

正解なんてないのかもしれないけど、解説が欲しくなってしまうなぁ。