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海賊じいちゃんの贈りもの@角川シネマ新宿


『海賊じいちゃんの贈りもの』予告編

 

■あらすじ
父・ダグと母・アビーが別居中のマクラウド家。長女のロッティは何でもメモを取るメモ魔で、長男ミッキーはヴァイキングに憧れる夢想 家。そして末っ子ジェスは石に名前をつけて可愛がり、気に入らないことがあると気絶するまで息を止める。そんな家族が祖父の誕生日を祝うためロンドンから スコットランドを訪れるが、身勝手な大人たちに辟易し、祖父と子供たちで海に出掛けるが、大変な事件が起こってしまう。

 恵比須で上映していた『さよなら、人類』からハシゴ映画!ゆっくりランチでも…と思っていたのだけども、前述の映画がどうもすっきりしなかったのでもう一本観に行こう!と思い至った次第。タイトルからして破天荒なおじいちゃんが子供たちとワッハッハー!みたいな話かと思ったんですが、それよりもずっとさっぱりしたお話でした。

 

おおかたのお話はあらすじに記載した通りなのだけれども、とにかく大人がダメ。ダメすぎる。しかし憎めない。両親は離婚寸前だし、叔父は変なふうにプライドが高く、その妻はすっかり病んでしまって万引きをする始末。どう考えてもダメダメなのになんだか人間味があって、妙なおかしさがあるんだなぁ…。音に反応して部屋の電球がついたり消えたりするのを自慢する叔父のシーンの後、いとこのバイオリン演奏の後にみんなが拍手すると点滅する電球…というしょうもない天丼なシーンにも笑ってしまった。

…というのが物語の序盤。中盤に差し掛かると子供たちがとんでもないことをやらかします。一 度はちゃんと大人に指示を仰ごうとしたのに、大人たちが下らない諍いばかりしているのを目の当たりにして「これはだめだ」と諦めてしまう…というあたりが この映画らしくあっさりと描かれているのだけれど、とんでもなく悲しいシーンだなぁと。だってあんな状況を子供たちだけでなんとかしろなんて正しい判断な んてできるはずがないだろうに。

その後の話は子供に都合のいいように、というか、色々と上手く事が運んで感動的な流れなのかと思いきや、ものすごく現実的。終盤、ただただノートに証拠をかき集めてきた長女が感情を吐露するシーンはすごくよかった。福祉士とのやりとりも映画的にはベタなのかもしれないけどよかったなぁ。

途中で少し出てくるレズビアンの女性がすごく良いキャラだった!物語の良いエッセンスになったと思います。彼女との出会いも祖父の齎してくれた贈り物、という感じ。ぼんやりしていたいとこの男の子がサラッとおいしいところを持っていったのにも笑った。

 

大体映画を見るとその舞台になった国に行きたくなるんですが、案の定スコットランド行ってみたい~!と思いました。笑