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映画や本やおいしいものについて

魔女の秘密展@ラフォーレミュージアム原宿

 

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■展示詳細
第1章:信じる
第2章:盲信する
第3章:裁く
第4章:想う

 友達に誘われてホイホイと行ってきました。最終日だけあって大行列だったのですが、意外と入場はスムーズ。中は大混雑でした。

 

■第1章:信じる

入ってすぐ、著名な漫画家さんたちの作品に描かれた魔女っ子たちが。安野モヨコ先生のシュガシュガルーンなどなど、7名の書き下ろしイラストがありました。そして列がここから全く進まない…。ライトで地面に何かを映し出す(魔法陣か何かだったのだと思う)演出はWindowsのエラー画面そのまま映しちゃってるし…すごく…不安です…。

しかし軽い展示はここまでで、ここから先は魔除けの処方箋や魔法の記された巻き物、モグラの前足のお守りなんてものまでいろいろと展示。お守りや処方箋は今となってはなんだかかわいくさえ見えるデザインで、そうと言われなければ当時のオシャレアイテムや流行のアイテムだと思ってしまいそうな感じ。魔除けの五芒星の記された揺り籠なんかもかわいかったなぁ。

そして衝撃的だったのが頭部のミイラ。黒ずんで左前頭部が欠けているミイラは作り物にさえ見えるんだけど、これ、薬にしていたらしい。軟膏に混ぜていた、までは分かるんだけど飲むこともあったと聞いてギャー!なんでも人間は最も完璧な生物だから皮も骨も何もかも全て役に立つのだ、という考えだったらしい。なんかこう、聖職者のミイラとかだったらそういう考えになるのかもなぁと思わなくもないんだけど、そこらへんのおじさんとかでも同様に扱っていたのだろうか…。

という感じで、ここまでは魔法や魔除けの力を良い方向で信じていた時代の展示。

■第2章:盲信する

第1章の展示の時代からしばらくして増え始めたのが貧困やペストに戦争。という説明のために展示されていたのがジャック・カロのエッチング!こんなところで見られると思わなかった~!好きなのでとても嬉しかった。物乞いを描いたポストカードほどのサイズのエッチングが数点。襤褸切れのような服や皺だらけの顔が描かれておりました。

で、活版印刷が発達し、「魔女に与える鉄槌」なる本が刊行されたそうで。「魔女の犯罪を体系的に記した本」らしいのだけれども、トンデモ本であることは確実。しかし当時の世相はスケープゴートを求めていたため、瞬く間に重版され次々に売れたのだとか。

そしてここには双頭の牛や双頭の子猫なんかも飾られていました。驚異の部屋(当時の金持ちたちが世界中の奇異を集めてオカルト的なサムシングを楽しむと同時に自分の財力を見せつけたというアレです)に収蔵されていたものらしいんだけど、これはフェイクではなく本物のようでした。

■第3章:裁く

そしていよいよ悪名高き魔女狩りへ。魔女裁判の再現映像がありました。再現映像と言っても一審から四審までの映像が各ブースに分かれていて、裁判長らしきおっさんが「お前は魔女なんだろう?そうなんだな?」と延々責めてくる感じのやつ。目の前に立って臨場感を味わえます的なものだったんだけど、このおっさんがメッッッッッチャ腹立つ。うるせーあごひげ引きちぎるぞ!という気持ちでいっぱいになった。

魔女裁判がめちゃくちゃだったということは知ってはいたのだけど、その中で用いられた「魔女の布」なるものがとんでもなかった。焼けた鉄を握らせて、その手を布で包み、3日経って膿んでいたら魔女で膿んでいなかったら魔女ではないという…。大やけどを3日間も放置したら膿むに決まってるだろうに、本気でそれを信じていたあたり、おかしな熱に浮かされてしまっていたのだろなぁ。

有罪になった人々に使われた拷問器具なんかも展示されていたのですが、ローテンブルグの中世犯罪博物館からお借りしたものらしい。前に旅行でローテンブルグに行った時にめっちゃ気になったんだけどまさかの休館日で行けなかったので、一部でも収蔵品を見れて嬉しかった…というのはモノがモノだけにちょっとあれだけど…笑 機会があったら足を運びたいものです。

そしてこの拷問器具、口の中にトゲトゲのついた器具を入れてそれを開いていくとか、手足を折って車輪にくくりつけるとか、棘だらけの椅子に座らせるとか、そんなもん思いついた人こそ魔女だったんじゃねーかと言うレベルの代物でした。説明文読むだけで痛い痛い。

■第4章:想う

最後のパートは「想う」。近代に描かれた様々な魔女たちの姿が展示されていました。展示もラストに差し掛かったタイミングでまさかの月岡芳年が!!!!!!こんなところで見られるとは思わなかったー!!大興奮!!!!水面に映った女の姿が鬼だと気付いた平維茂が斬り掛かろうと鯉口を切る直前の瞬間なんですけど維茂の手首と舞い落ちる紅葉がほんとうに一瞬を切り取った感じで最高オブ最高…。めちゃくちゃ美しい…。最高…。



…という感じで終了。正直、あまり期待していなかったのだけどとても面白かったです。あまり学術寄りにはならず、取っ付き易いようにしながらもコアなものを次々並べたのはすごいなぁ。あと、イヤホンガイドが佐々木蔵之介だったんだけど、これがまた良い声でとてもよかったです。

 

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撮影スポットなんてものもありました。展示されていた拷問椅子に似せたものだけど、こちらはもちろんゴム製のトゲ。しかしこれもう見た目がすごいな。世紀末覇者かな。
 
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あとホウキ~。ちゃんとマントも借りれて、ホウキに跨って魔女っ子気分になれるというシロモノ。めっちゃかわいい女の子二人組に写真を撮ってくださいって言われて大喜びでシャッターを押しました。
 
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ポストカードを購入。友人と一緒にいたのでついつい図録まで買ってしまった…。でもこの図録、読み物としてもとても面白いのでおすすめです!
 
いやー楽しかった!博物館や美術館はたいてい一人で行っていたんだけど、たまには誰かと出掛けるのも良いものです。ホクホク。