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映画や本やおいしいものについて

リリーのすべて@池袋HUMAXシネマズ


映画『リリーのすべて』予告編

■あらすじ
1926年のデンマークコペンハーゲンで、風景画家の夫・アイナーと肖像画家の妻・ゲルダは仲睦まじく暮らしていた。ある日、ゲルダ の制作中の絵のモデルが遅刻をしたため、アイナーに脚のモデルを頼む。ストッキングとダンスシューズを纏い、ドレスを体に合わせたのをきっかけに、アイ ナーの中に本当の自分は女性なのだという意識が芽生える。やがて、リリーは本当の姿を取り戻すべく世界初の性別適合手術を受ける決意をする。

 何故か間違えてシネマサンシャインに行ってしまってものすごく焦った…笑

リリーの笑顔がとてもキュート。ほんとうに嬉しそうに、でも少しはにかんだような笑みが人柄を表していたと思います。本当の身体を手に入れるために必死にな るリリーの行動はともすれば我儘勝手と捉えられてしまうかもしれないけれど、この笑顔があるからこそ最後まで受け入れられたのではないかなぁ。可愛くて少 し儚い、人の心を掴んで離さない笑顔だったと思います。本当にかわいかった…!

リリーを支え続けた妻・エルベはとてもすばらしい人格者の ように映るのかもしれないけれど、彼女はただリリーのことを好きなだけだったんじゃないかなぁと思いました。エルベが初めに愛したのは男性のアイナーだっ たけれど、女性のリリーでも構わなかったのでは…?美しいと思ったからこそあれほど描いたのではないかと思うし。ゆえにエルベが危惧し続けたのは「リリー が他の人間を愛してしまうこと」だった気がする。それ以外に関しては驚くほど寛容だったと思う。だから、二人の部屋のベッドの間に薄いカーテンが敷かれて しまったシーンはすごく悲しかった。当時同性愛は法律で禁じられていて女性同士は結婚できなかった(=二人が同性になってしまえば婚姻は破棄となる)上 に、リリーは女性として男性を愛そうとしていたのだから、エルベの心情を思うととてもつらい…というのはわたしの想像なんだけども。

個人 的な解釈というか想像というか妄想ついでにもうひとつ。ハンスは「アイナー」の中の「リリー」をいち早く見つけた人なのではないかなぁ。だからこそ単なる 昔の友人として以上に寄り沿ったのだと思いました。(ところでハンス役の俳優さんがプーチン大統領に似ている…と思ったら、twitterで「リリーのす べて」で検索したら「リリーのすべて プーチン」ってサジェストされた…笑)

あと、本当の性別を手に入れてからのリリーの作品も観たかっ たなぁ。筆を折ってしまったのが残念だ…。でも、華のある仕事に就いて女性として働けてとても嬉しかっただろうと思うとそれはそれで幸せな職業選択だった のかもしれない。現実はきっとそうではなかったのだろうけど、あまりリリーに酷い言葉を吐く人がいないのが良かったなぁ。

そしてラスト シーン、「飛ばせてあげて」という台詞がすごくよかった…。そしてエンドロールでクレジットされていたのが「Lili」というのがまた…。彼女は最初から リリーだったのだ、と静かに刻み込んでくれているようで、ホロリとしてしまった。まさかこのタイミングで泣かされるとは思わなかった…!

そう言えば、リリーは実在の人物なのだそうで。Wikipedia等を見てみたところ、手術を受けたのは5回で、しかも40代に差し掛かってからのことだったそう。リリーが存命の時にエルベとは離婚し、お互いそれぞれ新しいパートナーを見つけていたようです。

リリー・エルベ - Wikipedia


こちらのWikiにも書かれているけれど、リリーは性分化疾患であった可能性が高い気がする。目に見え難い/気付かれ難いからこそ理解もされにくいと思いますが、「こういうことで苦しんでいる人がいる」ということだけでも知る機会になったらいいなーと思いました。