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sasame-goto.

映画や本やおいしいものについて

ズートピア@TOHOシネマズ渋谷


『ズートピア』予告編

■あらすじ
小動物初の警官となったウサギのジュディ。配属先が草食動物と肉食動物が共に暮らす楽園・ズートピアに決まり希望に満ちていたが、命じられたのは駐車違反の切符切り係。結果を残そうと奮闘していたとき、詐欺師のキツネ・ニックに出会う。反発し合っていた二人だが、ひょんなことからズートピアの秘密を知ってしまい、事件を追うことになる。

 字幕にて鑑賞。お、面白かったー!!ストーリーも世界観も完璧に作り込まれていて、ともすれば重くなってしまうテーマを、老若男女問わず誰にでも楽しめるエンターテイメント性を保ちつつきっちり奥の奥まで踏み込んで描かれていてすごい。すごかった。

まず、ズートピア市という設定そのものが素晴らしい。様々な動物の暮らすこの街は、誰もが不便なく暮らせるように作られていて、電車の扉や改札も各動物に合わせた様々な種類が用意されている。さらに、動物たちの特性によって様々な特性を持った地区(シロクマやアザラシの住みやすい雪に覆われた寒いツンドラ地区や、アマゾンに生きる動物向けのレインフォレスト地区など)が集められていて、誰もが自由にそこを行き来することができる。冒頭、希望に満ちたジュディの乗った列車がこの街を駆け抜けるシーンは最高にワクワクして、一気に引き込まれます。

しかし、そんな様々な動物の集まる街だからこそ、差別や偏見も生まれてしまう。ウサギなんかに警官が務まるわけがないと思われているし、キツネは人を騙す狡賢い生き物だと思われている。ジュディはそこでもあくまでも公正に振る舞おうとするのだけど、知らず知らずの内に自分もそういった意識を持っていたことを知る。警官のジュディが最初から最後まで正しかったらなんだか嘘っぽくなってしまったかもしれないけど、知らず知らずの内に抱いていた、ちいさな差別に観客側も我が身を振り返らずにはいられない流れがお見事。本人は危惧や用心のつもりでも、根底にあるのは差別的な線引きだったりするものな…。

…と、こんな風にごく自然な流れで重いテーマが描いていてすごい。人種や国籍や生まれや宗教、職業や性的嗜好に至るまで偏見に満ち溢れた人間社会を、動物の世界というシンプルな構図に落とし込んでいてすごい。すごい。あまりにすごくて語彙力が小学生。

あと、伏線回収が素晴らしかった。この作品がエンターテイメントとして楽しめるのは、「犯人捜し」に関するミステリやアクションの要素が丁寧に作り込まれていたというのもあるんじゃないかなぁ。そこを少しでもおざなりにすればテーマだけが浮いてしまって、すごく説教くさい作品になってしまっただろうし。

ズートピアのカリスマであるガゼル、なんとも不思議な魅力のある子だなぁと思っていたんですが、トムソンガゼルはオスにしか角がないんですね。つまりガゼルは生物学的にオスであるか、もしくはメスであるものの角をつけているかのいずれかということ…?そんなガゼルを囲んでのエンドロールは、自由と平等を掲げるズートピアらしさを現していたのかなぁ。

 

いやはやこれは面白かった!シュガーラッシュについでお気に入りのディズニー映画になりました。吹き替え版も気になるな~。