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深堀隆介 回顧展 金魚養画場~鱗の向こう側~

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 池袋西武で催されていたこちらの展示、twitterで知って足を運びました。樹脂で作られた金魚の作品の数々、ほんとうに素敵だった…!

 なんとこちらの展覧会、撮影可!それゆえ、twitterで画像が回って来て開催を知ったのでした。SNSの口コミでどんどん広がり、終了間近だったこともあって、平日夜だというのに大行列。しかしクラブオンのモバイル会員は並ばず無料で入れるのでした。ありがたや~。

 

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升に金魚の入った「金魚酒」シリーズが一番多かった。これもそのひとつ。樹脂を流し込みながら一層ずつ描いていって立体感を出す手法…なのだそうですが、どう見ても本物にしか見えないし、百歩譲っても立体物を樹脂に閉じ込めているようにしか見えない…!

 

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傘に金魚。金魚の動きはもちろん、水の滲み具合や水の張り方なんかもリアルですごいなぁ。写真だとますます本物のように見えるのですが、これ、ピタッと止まったまま動かないのです…というか作り物なのです。不思議…。

 

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引き出しに金魚。それぞれ動きがあったり表情があったりして面白い。リュウキンみたいな子は息継ぎ中?らしく、ぽっかりと水面に向けて大きく口を開く姿がそーきゅーと!

 

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波紋や尾鰭のリアルなことよ…!波紋の広がる一瞬を撮ったみたいだけど、現物はぴたっと止まってここから動かないのよねえ…ふしぎ…。

 

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貝に金魚。牡蠣と巻貝。ますます涼しげで綺麗!

 

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蓋の葉っぱをそのまま物質化したような不思議な作品。バカラの器って言ってたのこれだっけな…?
 
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個人的に一番気に入ったのがこちら!レトロで少し退廃的で素敵だなぁ。ポストカードを売っていたので思わず買ってしまいました。

 

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昔懐かしいあの洗面器に金魚。こういう状態になると金魚ってこういう動きするよなあ!っていうのがリアルですごい。

 

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こちらは一層現代アート的な作品。前方後円墳の中にウルトラマン。そういえば直島の美術館でもウルトラマンの塩ビ人形を使ったアートがあったのだけど、アーティストをそうさせたがる何かがウルトラマンにあるのだろうか…?
 
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仕事部屋の再現。色々な画材で溢れているのですが、当然ながら道具は絵画とも彫刻とも異なるものばかり。使用用途がわからないものもたくさんあったけど、この場所からあの金魚ちゃんたちが生まれているのかーと思うとなんだか感慨深い…。

 

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こちらはライブドローイングで描いたものとのこと。熊本の震災を想って描かれたくまモン柄の熊紋錦。尾鰭の透明感とかすごく綺麗だー!描いているところ見てみたかった…!

 

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スケッチやイメージ図。立体物はもちろんなのですが、絵もものすごく美しい…!真ん中のスケッチすごく素敵だな~。

 

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大型の作品。箪笥の中を泳ぐのはやっぱり金魚。一つ前のイメージ図が元になって作成されているようです。


写真は撮らなかったのだけど、子供用の上履きの中に金魚が泳いでいるものがありました。どちらも履き古したもので、男の子の名前の書かれた小さな上履きの中には金魚と花、それより少し大きい物には金魚と桜がそれぞれ泳いでいたのだけど、持ち主は東日本大震災で亡くなってしまった姉弟のものだったそう。二人が見れなかった春の桜と夏の花火を靴の中に閉じ込めたのだそうです。

 

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 気配だけの残る桶。どこかに貰われて行ったのか、はたまた…と言う感じでとても趣深い。これすごく良いなぁ。
 
いやー面白かった!素材はアクリル樹脂で…と言われても、「なんで動かないの?」と思ってしまうくらいリアルな作品の数々!カメラ越しに見ても、直接目で見ても、ぴたっと時間が止まってしまったようにしか思えない…。
 
SNSをきっかけにこういう作品があることを知ったので、撮影可も時として良いものですね。お陰ですてきなものに出会うことができました◎