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映画や本やおいしいものについて

帰ってきたヒトラー@TOHOシネマズ新宿


映画『帰ってきたヒトラー』予告編

■あらすじ
2016年、突如としてドイツにタイムスリップして現れたアドルフ・ヒトラー。テレビ局をクビになったディレクターのザヴァツキはヒトラーをものまね芸人と勘違いし、テレビ局に売り込もうと自主制作ドキュメンタリーに参加させる。ヒトラーの演説を耳にした人々はそれを面白がり、あっと言う間に人気者に。 テレビを使って人々に演説を行うことができると考えたヒトラーは、積極的にテレビ出演を繰り返していく。

TOHOシネマズで鑑賞ポイントが6ポイント貯まっての無料鑑賞!このシステムありがたいなぁ。しかも良作だったので2倍嬉しい。

ヒトラーが現代にやって来たらどうなるか」という極めて分かりやすいストーリーの本作。序盤こそコメディテイストであるものの、ぞっとするようなラストがと ても良かった。軽い気持ちで観に行ったのに、というか、軽い気持ちで観に行ったからこそ考えさせられる作品になったような気がします。

カルチャーギャップを抱えながらも、どこか泰然とした様子のヒトラー現代社会とヒトラーの間に独特の面白みがあって、映画の中の人々もスクリーンの前の我々もクスッと笑ってしまうし、やがて「意外といい奴じゃん」とさえ思ってしまう。国民一人一人の声に耳を傾けては良い国をつくるためにと訴えかける様子は真摯にさえ見えてきてしまう。そして物語の終盤になってようやく観客がザヴァツキとともにヒトラーであることを再認識する…という流れがお見事。

ヒトラーについては教科書はもちろん様々な出版物や映像作品があって、世界中が真っ向から否定する存在であるし、近年では「誰もがアイヒマンになり得る」という認識も広まっていたのに、それでも無意識に同じ轍を踏みそうになってしまう…というのを体感させる手法は「ズートピア」に通ずるものがあったかもしれない。考えていたつもりだったけど全く考えていなかったことに気付く。

制作は「ヒトラー最後の12日間」と同じところだったそうです。ゼンゼンブリンクが部 下達を叱り飛ばすシーンは、あの有名なシーンのセルフパロディ。空耳MADが作られまくっていたあのシーンを思い出して笑ってしまった。しかしここも「誰もがヒトラ―になり得る」と結びつけてしまうとこのシーンも少々笑えなくなってくるぞ…?

奇しくも2016年の現在もまた移民問題やEU からのイギリス独立なのでヨーロッパのみならず世界が揺れている状況。そんな時だからこそ、「不謹慎」なんて言葉は一旦忘れて鑑賞してほしい映画でした。 不謹慎だから触れないのなら、きっと忘れてしまうもの。そういう意味でもとても良い作品だったと思います。

■関連作品

帰ってきたヒトラー 上 (河出文庫)

帰ってきたヒトラー 上 (河出文庫)

 
帰ってきたヒトラー 下 (河出文庫)

帰ってきたヒトラー 下 (河出文庫)

 

原作本はヒトラーの視点で描かれているそうです。

ヒトラー 最期の12日間 [DVD]

ヒトラー 最期の12日間 [DVD]

 

こちらを知っているとより深く楽しめるかと。