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sasame-goto.

映画や本やおいしいものについて

パージ@VOD

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■あらすじ
年に1度、12時間だけ全ての犯罪を合法とする法律「パージ法」の定められたアメリカ。セキュリティ会社に勤務するジェームズは最先端のシステムで保護された自宅で家族と安全に過ごしていたが、息子が追われていた男を助けようと家に招き入れてしまう。男を追っていたパージ賛成派の若者たちに彼を引き渡すよう求められ家を取り囲まれるが、男はどこかに姿を隠してしまい――。


スパのVODで鑑賞。もう一度言いますがスパのVODで鑑賞。何故スパでこの作品を…?正気か…?リラックスとは何なのか…?そんな鑑賞環境だったものだから、パージ開始と同時に離れた席の誰かからの音漏れで笑点のテーマが聞こえて来て笑った。奇跡か。若干愉快なスタートを切ってしまったけれど、これがめちゃくちゃに面白かった。

夜19時から朝の7時まで、サイレンと放送で事務的に淡々と始まる殺戮の12時間。この時間に全ての怒りや暴力を吐き出すことにより、アメリカの犯罪率は大幅に低下していた――という設定の時点で面白い。パージで使用できる武器の危険度は決められており(おそらく銃まで?それ以上の兵器はNGのようです)、パージの時間は救急や消防も出動不可能とのこと。細かい矛盾を上げたらきりがないのだけど、「そういう設定なんだなオッケー!」と割り切って観た方が楽しめるかと。こまけぇこたぁいいんだ!パージなんだ!!考えるな感じろ!!!

娘の彼氏の侵入を察知できない時点で警備システムがポンコツすぎるのでは…?本当に大丈夫なのか…?と思っていたら、幼い息子一人であっさり解除できてしまってホラもうやっぱりダメなやつじゃん!!そして招かれざる客が一人、また一人と現れ、ついにはパージ賛成派の若者に取り囲まれてしまう。この集団のリーダー格の男の表情がめちゃくちゃ不気味で、それがインターホンのモニター越しに大写しになるもんだから地獄です。そしてパージの正装(仮面をつけて、女子は白いワンピースを着る)姿で家の周りをキャッキャウフフと遊び回る絵面が不気味すぎる。

「我々は高い水準の教育を受けたアメリカ市民である」などと言いながら凶行に耽る(とは言えパージなので法律に反しているわけではない)若者たちと、彼らが「生きる価値のないホームレス」として狙う貧困層の青年、どちらを選択すべきか迫られた家族のとった行動は…というお話がメインなのだけど、後半で「ここでお前が!?」「ここでお前らが!?」が畳み掛けるように起こってスピード感が凄まじい。

そして最後、朝の陽射しの射す食卓である人の怒りと侮蔑を込めた一撃が一番重かった気がする。この後に出る文章の後味の悪さがすごく良かった。良かったというのも変だけど、作品に相応しいオチだったと思う。


■関連リンク

 続編。なんと続編も配信されていたのでこのあと続けて観ました。