sasame-goto.

映画や本やおいしいものについて

セールスマン@シネマカリテ


映画『セールスマン』予告篇

■あらすじ
教師のエマッドは妻のラナと共に劇団に所属し、「セールスマンの死」の舞台初日を控えていた。そんな中、アパートが老朽化し引っ越しを余儀なくされる。しかし、転居して間もないある晩、ラナが何者かに暴行を受けてしまう。ラナが真相について一向に語ろうとしな中、犯人の手掛かりを見つけ出したエマッドは自力で犯人捜しを開始する。

 

※ネタバレ含みます

イラン映画なのですが、わたしの知っている世界とまるで違う常識に溢れていて、ストーリー以前に理解が追い付かないことばかりでした。女性が暴行されても警察に行けない上、行ったとしても、被害者であるはずの女性に非があるとされる場合もあるのだとか。とにもかくにも男性主導で、女性は言葉少なに従うのが当たり前で、そういうシーンを目にする度に悶々としてしまった。わたしはまるでこの国のことを知らないのだなぁ…。

ラナを襲った男はパン屋の主人であることが判明。男と対峙したエマッドは、結婚を控えている娘とその婚約者、そして35年連れ添ったという妻に事実を話せと詰め寄ります。その必要はないと諌めるラナを黙らせ家族を呼び付けるものの、男は心臓発作に襲われてついには命を落としてしまう…というなんとも後味の悪いラストでした。

劇中劇『セールスマンの死』の上演シーンが何度となく挿入されるのですが、穏やかだったエマッドが徐々にセールスマン役と同化していくように変化していく…ということを表していたのかな。ラナが感情を露わにして反論するのも劇中だけだったような気がする。なかなか難解で消化しきれていないのだけど、そもそも劇中劇であるこの作品をを観ておくべきだったな…。


■関連リンク

セールスマンの死 [DVD]

セールスマンの死 [DVD]