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ウィッチ@新宿武蔵野館

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■あらすじ
17世紀のアメリカ・ニューイングランド。教義の解釈の違いから村を追い出されたウィリアム一家は、村から離れた地で家族7人で細々と暮らしていた。そんなある日、長女・トマシンの目の前からまだ赤ん坊の三男・サムが忽然と姿を消してしまう。狼の仕業だろうと意気消沈する家族だったが、村に属さない暮らしでは収穫が思わしくなく、冬を越せるかの不安も募っていく。そんな中、トマシンに魔女ではないかという嫌疑がかかる。疑心暗鬼になった家族の行く末は――。

 
※ネタバレ含みます

映像がとても美しかったです。1カットごとが写真のような仕上がりで、陰鬱なストーリーなのに時折見惚れてしまうほど。青みのかかった独特の映像がとても綺麗でした。あまりに美しい映像なので、アート寄りの難解な作品なのでは…と一瞬身構えてしまったのですが、ストーリーは思いの外シンプルで、淡々と静かに進んでいきました。なんというか、別作品で例えるとすれば、「エヴォリューション」+「白いリボン」という印象だったかなぁ。

魔女という形のないものの恐怖にとりつかれた結果、家族という共同体が崩壊を迎えるというのはなんともはや…。村を出された時から破滅は始まっていたのかもしれないけれど、人里離れた場所で暮らす内に両親が極端な思考へ偏っていく様が恐ろしかったです。コミュニティからはじき出された家族の中から、また誰かをはじき出そうとする…という流れが怖い。

子供たちの演技が圧巻!特に長男のケイレブの今際の際の狂気の演技が素晴らしい。あと双子ちゃんもすごかったなぁ。というか、次男&次女の双子がめちゃめちゃ怖かった…!どう見ても狂気しか感じられないし、誰が魔女っぽいかと言ったらこの双子一択だろうと思わずにはいられなかった 笑

きちんと読み取れていないのだけど、ケイレブが追っていた野ウサギはどういうことだったのだろう。両親がトマシンを魔女だとしたように、ケイレブはウサギを魔女とした、ほんとうはどちらも正しくはなかったのに…ということだったのでしょうか。いずれにせよ、まだ見ぬ魔女なんかよりも疑心暗鬼に陥る人間の方がよっぽど怖いなぁ。ゆえに、ラストシーンの解放感さえ感じられるようなトマシンの笑みが印象的でした。

 

公式ィ…笑

 

ところで武蔵野館の1番スクリーン、スクリーンをちょうどいい大きさで観たいとなると傾斜が足りなくてスクリーンに前の人の頭が被りまくってしまうのが残念でならない…。せっかくきれいな映像の作品だったのに、おじさんの頭とおじさんの頭の間に字幕みたいな状態になってしまって残念すぎたー!リニューアルされて多少傾斜がついたので後ろから観れば多少はマシなのだけど、そうするとスクリーンが遠すぎるんだよなぁ。ベスポジがない…。結構好きな映画館なのだけど、そこだけが残念です。なんとかならないものかなぁ。