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黒い箱のアリス@ヒューマントラストシネマ渋谷


 

機械の義手をつけた美少女と喋る犬、そして黒い立方体/映画『黒い箱のアリス』予告編

 

■あらすじ
義手の少女・アリスは、森の中の近代的な自宅で父と犬の姿をした「母」と暮らしていた。ある日、アリスは森で大きな黒い立方体の箱状の物を見つけ、「彼らを信じないで」と自分自身の筆跡で綴られた紙を見つける。その後、父親が森で怪我をしていたという姉弟を連れ帰るが、不穏な気配が立ち込め始め…。

 

@ネタバレ含みます

 

未体験ゾーン5本目。すこしふしぎな近未来サスペンス。面白かった…!義手を付けた少女、言葉を話す器具を付けて少女に「ママ」と呼ばれる白い犬、そんなどこか歪な家族の暮らす近未来的な住居…と、序盤から意味深なシークエンスがいくつも提示されて、一体これはどういうことなのか?何を意味するのか?彼らに何があったのか?と気になって一気に引き込まれました。解決されないままなんとな~くふんわ~りとオシャレ~な雰囲気で終わってしまったらどうしよう…と思ったのですが、最後にはこれまでの経緯が全て明らかになってすっきり。

 

しかしラストはせつなかったな…。森の中の黒い箱はタイムマシンのようなもので、過去にそれに乗り込んだアリスが現在のアリスに警告を発していたがなかなか過去を変えることはできずそれを繰り返していた…というのが真相なのだけど、過去のアリスたち、つまりは黒い箱のアリスたちはどうなってしまうんだろう。惨劇の起こった世界線はそのまま存在し続けるのだよな…?と思うとぐるぐるしてしまうー。そういう空虚さもあって、原題は「Black hollow cage」なのかな。

 

家の形状が真っ直ぐ?の直線のようになっていて不思議だなぁと思ったんですが、この直線は時間の流れを表していたりするのだろうか。あと、暴行を加えるときや刺したり刺されたりするときは家の右側から左側というか、被害者が右側、加害者が左側になっていることが多かったような…気のせいだろうか?このあたりも時間の流れを模していたりするのかなぁと。どうでしょう。

 

鑑賞後にじっくり考えたくなる作品でした。誰かとああだこうだと話せたら楽しいのだけどなぁ。悶々!

 

■関連リンク

未体験ゾーンの映画たち2018