sasame-goto.

映画や本やおいしいものについて

仮面病棟/知念実希人

 

仮面病棟 (実業之日本社文庫)

仮面病棟 (実業之日本社文庫)

 

 

■あらすじ

療養型病院での夜勤のアルバイトは、医師・速水にとって都合のよい小遣い稼ぎだった。強盗犯が立て籠り、人質の治療を要求するまでは。突如現れたピエロのマスクの男により、看護師二人と六十人の入院患者と共に人質となった速水は、脱出方法を模索する内に病院の秘密を知ってしまう。やがてそれは犯人の目的と交錯していき――。

元精神病院の鉄格子まで設けられている怪しげな病院でのクローズドサークルものと聞いたら手に取らずにはいられない…!こういうタイプのお話は読んでいるうちに「ものすごいガッカリな結末だったらどうしよう…」とネガティブ思考が頭をもたげてくるんだけど、これはラストまで一気読みでした。隠された手術室だとか謎の入院部屋だとか、病院の謎が解明される一方で犯人の目的がどんどん分からなくなっていって続きが気になって気になって…!

 

真奈美(=犯人のピエロ男が外部から連れて来た人質)に対して「この女絶対怪しいだろ!」と思い続けたのはわたしだけじゃないはず…!撃たれて連れて来られたのにやけに冷静だし先生のことをいきなり下の名前で呼ぶしでハニトラ醸し過ぎィ!!という感じで一体誰が主犯なのだろうと思いながらグイグイ一気読み。だって全員が怪しくて…!当日に宿直を代わるように頼んだ先生も怪しいし院長も怪しいし看護婦も怪しいし怪しい奴しかいねえ!という状況で人質になってる主人公って冷静に考えたらめちゃくちゃかわいそうだな…。

 

入院患者六十人に対して夜勤の看護婦が二人って少なすぎない!?って思ったんだけど、作者本人が医師ということは現実的な数字なんだろうか…。