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映画や本やおいしいものについて

奥湯河原温泉一人旅1日目(2022.11.18)

 

■旅程
10:00 東京駅発 踊り子(伊東編成)7号 1時間14分
11:14 湯河原駅
11:30 割烹しらこ
12:30 五所神社
13:30 重光葵記念館
14:30 加満田

 

約3年振り(!)に一人温泉旅に行ってきました。
お目当ては温泉でのんびり過ごすことだったのですが、紅葉シーズン一歩手前の奥湯河原を満喫してきました~。
ちなみに、巷で噂の旅行支援は神奈川の分が予定枚数に達していて使えず、普通に全額自腹旅行です。いつも間が悪くてああいうやつの恩恵に授かれたことがない。税金、納めてるのに。税金、納めてるのに。(主張)

 

■踊り子(伊東編成)7号
10時東京発の踊り子号に乗車!平日出発ゆえ、行き交う会社員の皆様を横目に心の中で「あっ皆さんはお仕事に行かれる感じですか?私はちょっと温泉へ^^」とマウントを取りながら一般通過旅人してきました。最高~~~~~!!!!!(最低)
現地でランチ予定だったので、軽い朝食代わりのスムージーを飲みつつのんびりまったり。なんかもうこの時点で旅情が溢れて止まらない。最高。
出発日1か月前を少し切ったくらいのタイミングで指定を手配していて、その予約時点では座席はガラガラだったのですが、まさかの満席アナウンス。旅行支援の効果でしょうかねえ。

 


富士山が見えるのはA席側と調べた上で座席を確保していたのですが、重大なことを忘れていました。富士山が見えるの、湯河原より先だわ。私はアホです。スン…となりつつも車窓を楽しみました。
でもそれはそれとして海はきれい!ヨシ!!
子供の頃に熱海や伊東によく旅行に行っていたので、ちょこちょこ記憶にある光景があって面白かった~。

 

湯河原駅


1時間14分で湯河原着。あっという間すぎる…!
金曜とは言え閑散としているなあ…と思ったら、湯河原駅の一日の乗降者数は5000人を切っているのだとか。あらまあ。
湯河原に来るのは小学生振り…?だったのですが、駅舎がとってもきれいになっていました。隈研吾っぽいと思ったら本当に隈研吾でした。
手湯があったのでちょっと温まってみた。すでにいいお湯!

 

■割烹しらこ


ランチはこちらのお店にて。勇み足過ぎて開店よりだいぶ早く到着してしまい。周囲をウロウロする不審者になってしまった。
周辺を散策しよう!と思い立つも、このあたりは観光するようなところもない普通の町なので、カメラをぶら下げて徘徊していると不審者になる。もうどう足掻いても不審者。あなたは不審者ですか?はい、わたしは不審です。(中学英語)
そんなこんなで開店とほぼ同時に入店。次々にお客さんがやってきてあっという間に満席になってしまったので、不審者した甲斐がありました。

 

「刺身5点盛りと焼魚又は煮魚の定食」をオーダーして、焼魚をチョイス。魚の種類は選べないそうですが、魚はなんでも大好きなので何が出てくるか楽しみ~。ウチワエビの裏側を見ながら待機。わくわく。

 

小鉢の柿の白和えがめちゃめちゃ美味しくて、もうこの時点でお昼にここにきて大正解だったなあとほくそ笑みました。
カウンターだったので、目の前で次々盛られていく丼やお刺身を眺めつつ小鉢をちびちび。
お酒が欲しいんだけどこれから歩くし神社に行くし、夜も飲むし…と悩んでいる間にメインのお料理が到着。

焼き魚は鰺と鮭でした。両方好きなのでやったー!塩気が絶妙でとっても美味しかったです。ごはんが進む…!
熟成系というのでしょうか、ねっちり系のお刺身でした。貝は少しだけ炙ってあってコリコリで美味。
海鮮丼を頼んだ人には焼きさざえがついているようで、それも美味しそうだったなあ…。
季節の小料理なども充実しているようで、夜飲みに来るのも良さそう~!

 

次の目的地の五所神社までは一旦駅まで戻ってバス…と思っていたのですが、歩けるようなのでお散歩ついでに徒歩で行くことに。
箱根のあたりは歩道がなかったりして徒歩は危ないかな~と思うことが多いのですが、このあたりの道はちゃんと歩ける道でありがたい。
しかし、徒歩5分経ったところでもうすでに暑い…。天気予報以上にハチャメチャに晴れている…。自分の晴れ女加減を呪いました。晴れ過ぎ。
ちょっと日除けも兼ねて、このところ貧血気味だったのでドラッグストアでヘム鉄を購入。旅先でドラッグストアやスーパーに立ち寄ると、いつもとは違う生活感を感じられてなんか楽しい。
外のベンチでヘム鉄を飲み、3秒くらいでわぁ効いてきた~と思うなどしました。私はプラシーボ効果で生きています。

 

五所神社

まずは旅の安全祈願!1泊2日だし温泉でごろごろするだけだけど、万全の健康状態でごろごろできるように…(?)
寺社仏閣は好きなのだけど、あんまりお祈りしたいことがいつも思い浮かばなくて、「○○(住所)から来た○○(名前)です。…………よろしくお願いします」って大失敗の合コンみたいなことばっかり告げてしまいがち。謎自己紹介参拝女。

 

交通量多めの道路の目の前にあるのに、敷地に一歩入るとしんとした雰囲気になっていて、やっぱりこういう場所には何かあるのかなあと思ったりしました。
心の綺麗な子供には何か見えたりするのかな、薄汚れた大人なので「天気が良くて静かでよかった」以外何も感じられん。

 

樹齢800年の楠のご神木からの木漏れ日が気持ち良かった~。
御朱印は書置きで2枚セットのみの取り扱いとのことでした。1枚って決めていたのだけど、この場合は致し方なし!ということで2枚いただいてきました。気づけば御朱印帳も5冊目だ~。


五所神社前バス停にも立派な楠がありました。こちらの楠は青々とした蔦が絡まっていて野趣溢れる雰囲気。
町指定の文化財なのだそうですが、こちらの楠も樹齢800年とのこと。お向かいのご神木と同じ年なのねえ。
同じ年の楠が向かい合っているの、なんだかエモい。


バスに揺られて20分ほどで奥湯河原着。
到着する頃にはバスの乗客が自分だけになっていました。空いているのかなと思ってはいたけれども、ここまでだとは…!
バスから降りたら先ほどとは一転してひんやり。そんなに街中から離れていないいはずなのに、とっても涼しい!ちょっと暑いな~と思っていたので、温泉にちょうどいい感じで良い~!

 

バス停近くに本日泊まるお宿の看板があったのですが、サイドに苔が生えている上に蜘蛛まで…笑
大丈夫???狐に化かされたりしない????ちょっとドキドキしてきた。ワンチャン怪異ありえるかもしれん…。(?)

 

重光葵記念館


旅館の周りに何かないかな~とGoogle Mapを拡大していた時に見つけたこちらの記念館。せっかくなので立ち寄ってみることに。
正直なところ、中学の社会の授業でちょっと名前を聞いたことがあるような…というふんわりとした記憶しかなかったのですが、これも何かのご縁ということで。
博物館とかこういう記念館とか、興味がなかったり知らないジャンルでも展示物を見てあれこれ眺めていると「へぇ~」となるのが楽しくて好きです。

 

ヨシ行こうと思ったものの、外観が、家。シンプルに、家。
訪れた人のツイートなどを事前に見ていてちゃんとした施設であることはわかっていたので、ちょっとドキドキしつつドアオープン。
玄関で靴を脱いで上がる形式なので、本当に人様のおうちに上がる時のような感覚になりました。

優しいスタッフさんに迎えていただき、記帳している間に映像の準備を進めてくれました。
サイトでは上映時間が決まっているように書かれていますが、適宜再生してくれるようです。
上映時間の長い動画を流してくれていたのですが、ちょっと時間が厳しいので展示物を見ながら聞いていたら、短いものに変えてくださいました。ありがたや…!

ご家族の開いた記念館だけあって、政治家としての顔だけでなく趣味や家族との写真も展示されていて和みました。
それにしても、国歌斉唱中だからと爆弾が投げ入れられても動かずにいたの凄すぎる。私だったらちょっと不審な人がいただけでぴえんなる。
展示物を見つつ、スタッフの方とおしゃべり。平日はお客さんが一人も来ないということもよくあるそうです。えっ…そんな…ここで働きたい…。
今後の旅程のお話を聞いてもらったり、このあたりの気候や紅葉の様子などを教えていただき大変助かりました。
箱根の方は紅葉がお目当ての観光客でめちゃくちゃ混んでいるそうです。「この前来たお客さんは箱根は地獄だって言ってました…」とのこと…。箱根のススキも紅葉も本当にきれいなんだけど渋滞が地獄だもんねえ…。

 

記念館を後にして、てくてく歩いてお宿へ。お宿までは歩いて5分少々なのですが、お天気が良くて気持ちがよかった~。
奥湯河原は本当に涼しいので、温泉が楽しみだなあ。


■加満田
本日のお宿はこちら。よく一人温泉旅行時の参考にさせていただいている月山もも氏のブログで知りました。

他にも絶賛の声が多いので、この機会にとえいやと予約してみた次第。楽しみだな~!

 

14時半からチェックインとのことなので、ほぼ時間ちょうどに到着しました。チェックインからチェックアウトまでフル滞在で楽しむ気満々です。なんて貧乏性な客なんだ…。
案内いただいたのは躑躅の間。批評家の小林秀雄命名したお部屋なのだそうです。玄関口の横の部屋だったのでチェッ…と思っていたのですが、出入りの音は全く気になりませんでした。
お茶とお着き菓子(きなこ餅っぽいモチモチのお菓子でした。美味しかった~!)をいただいて一休み。
お着き菓子、昔は早く温泉入りたいからあとで食べる派だったんですが、お風呂に入る前に血糖値を上げることによって立ち眩みや湯あたりを避けることができると知ってからちゃんと食べるようになりました。美味しい上にそんな効果まであったのか…!

一息ついて、すぐお風呂へ。着・即・風呂!(悪即斬みたいに言う)
昭和感のある案内板が絶妙な可愛さです。
露天風呂は2種類。どちらも貸切風呂ですが、予約等は不要で空いていればどちらも使用可能とのこと。露天は少し奥まったところにあるものの、廊下で空ランプが確認できるのがありがたい。

 


両方空いていたので、とりあえずほたるの湯をセレクト。
あまり熱くないのでゆっくり浸かれて良い~。
やっぱり箱根は湯河原のお湯はいいなあ。なんというか、長湯しても全然疲れない気がします。
いい感じに温まったあとは、ささっと浴衣に着替えて内湯の方も堪能してきました。

お風呂上りにレモネードをオーダー。小田原産のレモンを湯河原産のはちみつに漬け込んで、敷地内で汲んだ湧き水で割ったというご当地ドリンクオブご当地ドリンクです。
ほかほかに温まって、レモネードを飲みながら広縁で本を読むのが幸せすぎました。私は一体前世でどんな徳を…?


まったり過ごしてから、館内をプチ探検。この赤絨毯の廊下、とっても雰囲気があって良い…!
歴史あるお宿なので、展示物も充実していました。
お宿のこういう展示、いつもめちゃめちゃ見てしまう…。
宇野千代水上勉鏑木清方小林秀雄はじめ、様々な文化人に愛されたお宿だったそうです。作家が初めて缶詰されたお宿なのだとか。歴史あり…笑

 

だいぶリアルな河童が佇んでいました。夜中に見たらシンプルに怖そう。

 


ライブラリはこんな感じ。この旅館に逗留していた文人たちの作品がずらり。
本は部屋で読んでもよかったのかな…?しかし、ちょうどkindleで読んでいた教誨師の続きが気になりすぎていたので今回は借りずに終えました。

 


ライブラリに鯉の餌があったので、少し頂戴して庭園に行ってみることに。
なんというか、なかなか野趣溢れるお庭でした。
鯉に餌をあげたら風で手前に落ちてしまい、鯉たちが若干陸に上がるような状態で貪り食っていて申し訳なかった。エラ呼吸なのにすまん…。

部屋に戻ってしばしぐうたらと過ごし、お待ちかねの晩御飯!!!
お部屋食です。上げ膳据え膳、ありがた~…!

派手ではないのですが、一品一品がどれも美味しい~。
日本酒が飲みたいな~と思い、ちょっと贅沢に黒龍大吟醸をいただきました。せっかくだから…。(旅先で「せっかくだから」を多用してすぐ散財する)


女将さんがおつまみを手にご挨拶に来てくださいました。ツワブキの酢味噌和えだったかな…?日本酒のあてにぴったりでした。
女将さんが一部屋一部屋回っての挨拶と一品を供してくれるのは先代からの伝統なのだそうです。

この真薯のお出汁がとっても美味しかった…!

温泉 白米 無限に食べる 何故(検索)
お新香だけなのにもさもさもさもさとめちゃめちゃ食べてしまいました。うめ…うめ…。

 

デザートを出していただいた時、広縁で召し上がってくださいということでそちらへ移動。
なんでだろう…と思ってたらまさかの布団敷タイムが始まりました。今!?!?!?!?!?!!?!?!?!?!?
シーツをバサバサしたりなどされており、なかなかどうして微妙な気持ちに…。
エッ!?エッ!?ってちいかわみたいになってたのであんまりデザートの味を覚えていない…。
そんなに食べるの遅かったのかしら…。給食を食べきれずに掃除が始まってしまった小学生のきもち…。
もうこういう演目だと思おう…とポジティブに捉えながら布団が敷かれていく様を見つめました。布団は無事敷かれました。よかったと思った。(小学生並の感想)
デザート 布団 なぜ (検索)

部屋でごろごろと過ごしてお酒が抜けた頃に夜の露天へ。昼に入ったのと同じほたるの湯ですが、夜は夜で趣があって良い…。
季節によっては蛍が見えるそうです。温泉に浸かりながら蛍を眺めるなんて最高すぎるのでは…。
部屋に戻ってからは本を読みつつお茶飲んでのんびり。茶葉がほうじ茶と緑茶の両方があったり、夜は冷水の入ったポットも用意してくれる気遣いがありがたい~。

 


そしてここでお夜食タイム。あんなに食べたのにまだ米を食うんか。はい、食べます。
普段は夕飯が21時頃で寝るのも2時なので…。というのは言い訳で、夜中に背徳のおにぎりをキメたかっただけです。
深夜にシンプルな梅干しおにぎりと緑茶…なんという幸せなのでしょう…。

 

旅先でも宵っ張りなのは変わらず、ごろごろしているうちになんだか足元が冷えてきてしまったので、寝る前に部屋風呂へ。部屋のお風呂も源泉かけ流し!加水もしていないとのことで、本当に肌がすべすべになる…!
冷え性で良かったと思える…笑

 

ほかほかに温まって、布団でごろごろしながら本を読む幸せたるや…。
枕元に明かりを用意してくれているのもありがたかった~。うとうとしてポチッと消して眠れる幸せよ…。
ほかほかからのうとうと、至福の時間すぎる。私は一体前世でどんな徳を…???
久々の温泉一人旅、やっぱりいいな~としみじみしつつ就寝。

search/サーチ@TOHOシネマズ上野

■あらすじ
デヴィットの一人娘・マーゴットが失踪する。デヴィットはマーゴットのパソコンからSNSにログインし、娘の友人へコンタクトを取っていく。自分の知らなかった娘の姿に直面し戸惑うデヴィットだったが、マーゴットを知る内に徐々に真実へと近づいていく。

 

※ネタバレ含みます

 

PC画面のみで展開するという興味深い手法で作られた今作。見慣れたWindowsの起動音に始まり、FaceTimegmailを中心に、Facebooktwitterと言った各種SNSYoutubeやGoogleMap…と、目にしたことのある画面と共に物語が展開していきます。PC画面だけでも誰が何をしているのか、それどころか何をしようとしているかまで分かるものなんだなぁ…。それほどまでにPCや各種ツールが生活の一部になっているんだなぁと今更ながら実感。もはや人間の外部パーツと言えるのでは…とまで思ってしまった。

 

無機質なPC画面だけで果たして感情移入できるのかと思いきや、スリリングだし泣かせるし、素晴らしい完成度でした。亡くなった妻のIDでログインしたときのSymantecのセキュリティアップデートが何百日間もされていないというアラートが上がるところにホロリ。マウスのカーソルの動きやタイピング音にも演技ってあるんだなぁ。

 

そして何よりこの作品、シナリオが素晴らしい。二転三転していくスリリングな展開がお見事!弟に容疑がかかった瞬間「お前が怪しいと思ったよ!」と思い、フリー素材の女が出てきた瞬間に「やっぱりお前が怪しいと思ったよ!」と思い、最終的な犯人に「そう言えばお前が怪(ry」…と、手首をクルクルしすぎて複雑骨折です。サスペンスと家族愛の織り成す展開から目が離せなかった。ほんとうによくできてるなぁ。

 

ただ一つ残念なのが、序盤にネットニュースが映る場面で遭難した男性の記事だけ字幕で訳されていたこと…。なんでこれだけご丁寧に訳してくれているのだろう…と引っかかっていたのですが、話が進んでいくにつれて、あれは生存エンドのフラグだったのでは…?と気付いてしまったわけで…。他のニュースの訳も載せておいてくれたら雑多な情報の一つとして騙されたのに…!笑

 

いやーしかし今思うとカクレオンもフラグと言えばフラグだったのかなぁ。本当によく作り込まれていて、「スゲー!」の一言に尽きます。

 

Searching

Searching

 

 

ボタニカリー@大阪

botanicurry.com

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大阪に行く用事があったので、世界で一番おいしいカレーを食べに行ってきました。本町にあるこちらのボタニカリーさん、数年前に行って以来大好きなお店です。5月に大阪に行く用事があったのでその時に絶対に食べようと思っていたものの、体調を崩してしまって泣く泣く断念。今度こそリベンジです。

 

大人気店のため整理券制をとってます。11時開店で、10時から整理券の配布開始。少し前までは10時半くらいに行けば最初の回に入れるよ~という感じだったようなのですが、9月にケンミンショーに出たことで客足が激増したそうで…。しかしどうしても食べたい。法を犯してでも食べたい(?)。というわけで、5時半に起きて7時の新幹線に乗るという暴挙に出ました。もう誰も俺を止められない。カレーのタタリ神。

 

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新大阪から御堂筋線に乗車からのキャリーを引きずりながらの一人競歩大会の果て、10時ちょうどくらいに店舗前に着。この時点で20人近くの列ができていました。もらえたのは12時の整理券で、12時~13時半の間はメニューから2種類を選べるあいがけができないとのことで…無念…。11時台の方はこの時点でオーダーをとっていったのですが、12時以降の人は解散して指定の時刻を待ちます。本町はオフィス街なので土日はいい感じのお店が全然やってない…。しかし整理券さえもらえればこちらのものです。カレーが食えればオッケーでーす!イエーイ!

 

近所のパンデュースさんで明日の朝ごぱんを調達したり、ホテルに荷物を置きに行ったり、近くのドトールでぼんやり過ごしたりなどして時間を潰しました。その間ずっとポッケで整理券を大事に抱えていました。お前は絶対に俺が守る…(騎士のかお)。あの時のわたしは整理券か片腕かって言われたら片腕を差し出したと思う。

 

時間丁度にいくと、カードを出す前から「2番さんですね!」と店員さんがチャキチャキとご案内。ありがたや~。入店してすぐにオーダー。ボタニカリー(チキン)にクリームチーズ豆腐と玉子ピクルスをトッピング。辛さはノーマル。過去3回ともあいがけを食べていたので、1品だけ味わうのは初めてです。季節のお野菜がたくさんトッピングされていて見た目からして華やか!口にするとスパイスの香りがブワッと華やかに広がります。ウッッッッマーーーーーーーーーーーーーーーーーー ウマイ!以外の語彙力が消失する…。

 

大根人参のピクルスをはじめ、ソテーした木綿豆腐やキャロットラペ、ミニトマト、カイワレ、ワカメ、刻んだブロッコリー(これが一番おいしかった!)、エトセトラエトセトラ。シャキッと生だったりソテーされていたりほんのり味がついていたり、いろいろな具材が添えられています。そのまま食べてもおいしいのに、どんな食材もどんな味付けも合うルーがすごい。平和の象徴かよ…。ハトじゃん…(?) 一口食べた時点でこのカレーを食べ終えてしまうことがめちゃくちゃ悲しくなってもはや情緒不安定。えっなんでカレーなくなってしまうんですか…?永久に食べられないんですか…?

 

惜しみながらもぺろりと完食。すごいしつこく皿をスプーンで掬ってしまった…笑 帰り際に店員さんが辛さは大丈夫でしたか?とお声かけくださって、とても優しい~。人気店特有の横柄な感じやピリピリ感がないのもとてもすてきです。当たり前のことなのだけど、おいしいものは素敵な空間で食べたいもんな…。入店前のワクワク感も、食べてる時のハッピー感も、帰り道の余韻もすべてひっくるめて素敵なメニューです。

 

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お店を出る頃には既に本日完売の文字が。ご、5時半に起きてよかった…。帰り道はお口の中がスパイス風味でずっとハッピーでした。カレーが好きなのでいろいろなお店に行っているけど、このお店が一番おいしいと思うー。どこにも代わりのない唯一無二のお店です。大阪に来たら絶対に行きたい!



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一区画お隣に気になるお店が。夜のみの営業っぽいですが、こちらも気になるなー

ブリグズビー・ベア@ヒューマントラストシネマ渋谷


ニセ教育番組を25年見続けた青年が主人公!映画『ブリグズビー・ベア』本予告編

 

■あらすじ
世間から隔絶されたシェルターで両親とともに暮らす25歳のジェームス。子供の頃から毎週届けられてきた教育番組『ブリグズビー・ベア』のテープだけが世界のすべてだった。新作を楽しみにしながら何度も繰り返し再生し、自分のサイトで考察を重ねていたある日、大勢の警察が現れて両親が連行されてしまう。両親だと思っていた二人は、生まれたばかりのジェームスを誘拐した犯人で、『ブリグズリー・ベア』はジェームスのためだけに作られた物語だった。生まれて初めての外の世界で初対面の本当の家族と暮らしはじめることになるが…。

 

※ネタバレ含みます

 

久し振りの更新になってしまった…。「シェイプ・オブ・ウォーター」を観て以来、何かそこまで雄弁にベラベラ語る気分じゃなくなっていたんですが、ブリグズリー・ベアがあまりにも最高すぎて感想をしたためにきました。オタクはすぐ饒舌になる生き物なのだ…。

 

予告を観た時点で名作の予感だったのだけど、本当に最高だった…。まず設定からしてグイグイ来てるし、「実は誘拐犯だったのだ」だけで一本の作品が作れるレベル…。しかしそこまではほんの15分ほどでさらりと描かれます。あらすじだけ聞くと、監禁されていた親子が救出されてから元の暮らしに戻るまでを描いた映画「ルーム」を思い出すんですが、本作の物語は別の展開へ。ブリグズリー・ベアの大ファンであるジェームスは、自ら続編を作ることを決意するのだ!

 

誘拐犯の作った作品を模倣することはジェームスに悪い影響を与えるのではないかと危惧する両親やカウンセラー。しかしジェームスは止まらない。だってブリグズリー・ベアが大好きなのだ。見知らぬ世界に放り出されたはずなのに、その気持ちだけを推進力にぐいぐいと進むジェームスに序盤こそハラハラするものの、あまりにも楽しそうな姿にワクワクに変わってしまいます。やがてその気持ちは周囲の人々に伝播し、家族や友人や刑事さえ巻き込みながら(超演技派の刑事さんがソーキュート!)、作品作りに邁進していく様がなんとも胸を打ちます。

 

くるくる変わるジェームスの表情が素直でとても良かったなぁ。初めて映画に出会った瞬間とか、ブリグズリー・ベアを他者から初めて褒められた感無量の表情とか!妹の友人の映画オタクくんに「これめっちゃ面白いな!」と言われ、うるうるきらきらしながら「You are my friend...!」というシーンは胸に迫るものがありました。ジェームスの世界のすべてはブリグズリー・ベアだったのだから、それが認められたらそりゃあうれしくなっちゃうよな…。

 

誘拐犯は悪。ではその悪の作った作品は?それを信じて愛してきたたった一人のファンは?とあれこれと考えてしまう。そんなことを考えながら観ていたのですが、最後の最後のアフレコのシーンが胸熱すぎた。罪は罪だし、悪は悪だけど、それでもあの作品はジェームスにとっての宝物であることに変わりはないんだよなぁ…。

 

「好きなら好きでいいんだよ」と背中を押してくれるような作品で、とても良かったです。誘拐されて監禁されていた青年が犯人の作り上げたキャラクターを愛してもいいし、中年男性が魔法少女に憧れたっていいし、90代のおばあちゃんがメタルを愛したっていいんだよなぁ…。好きって気持ちは最高さーーーーー!!!!!

ゆれる人魚@シネマカリテ

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■あらすじ
海から地上に現れた美しい人魚の姉妹・ゴールドとシルバー。ナイトクラブに雇われた二人は人魚特有のステージで観客を魅了するが、シルバーが人間の男に恋をしてしまう。それを契機に姉妹の心はすれ違い、やがて亀裂が入り始め…。

 

@ネタバレ含みます

 

とっても気になっていた本作、久々のシネマカリテで鑑賞です。シネマカリテのふかふかの椅子好き…。アンデルセンの「人魚姫」を原作としているものの、人魚の姉妹の姿は童話に描かれるようなピンク色や水色の鱗ではなく、鮒のような鈍い色合い。半身半魚の生々しい姿は不気味なはずなのに、なんだかやけに魅力的。人魚の姿の時は惜し気もなく上半身を晒しているのだけど、性的ないやらしさはまったくなくて、単なる生き物のありのままの姿のように見えるのが不思議。とても可愛らしい顔立ちできれいな身体をしているのに、人間とはまったく別の生き物のように見えました。すごい。

 

そしてこの作品、まさかのミュージカル仕立てで驚きました。予告も見ていたはずなんだけど、まったくそう思っていなかったので不意打ち…!でも音楽も衣装もキュートでダークで最高に痺れました。1980年頃のポーランドのナイトクラブの雰囲気や音楽、衣装がとてもキュート。どこかレトロな雰囲気で、でも当時の最先端!というきらめきもあって、人魚たちが謳歌したひとときの華々しさにマッチしていて、映像と音と物語のバランスが完璧にハマってます。最高。どの瞬間を切り取っても絵になるのではなかろうか。ミュージカル映画らしく、音楽もとても良かったです。「私は怒ってる」の曲がかっこよくて好きです。ポーランド語って耳障りが良いのかなぁ。

 

最終的にシルバーは人間の男に恋をして泡になって消え、それを許せなかったゴールドはシルバーの相手を噛み殺して水の中へと帰っていきます。どちらもある意味人魚として生き抜いたということなのかもしれないけれど、なんともせつないラスト。原題「Lure」は人魚→人なのか、人→人魚なのかと思うと感慨深い…。

 

目にも耳にもすてきな作品でした。人魚ちゃんズ可愛かったなぁ。水に棲む異形の生物、こわいけど魅力的。ところでシルバーちゃんがちょっと坂口安里に似ていると思ってしまったのはわたしだけだろうか…。笑

 

Criterion Collection: Lure / [Blu-ray] [Import]

Criterion Collection: Lure / [Blu-ray] [Import]

 

 

 ■関連リンク

ゆれる人魚

ゆれる人魚

 

音源気になる…。ゆるっと聞いたら心地良さそう。

 

にんぎょひめ (学研・ひとりよみ名作 26)

にんぎょひめ (学研・ひとりよみ名作 26)

 

 1980年発行!このレトロな雰囲気がかわいい。

切り裂き魔ゴーレム@ヒューマントラストシネマ渋谷

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■あらすじ
1880年、ロンドン。貧民街で連続猟奇殺人事件が起こり、人々は犯人を「切り裂き魔ゴーレム」と呼び恐れていた。四人の容疑者が挙げられるが、容疑者の内の一名が毒殺され、その妻・リジーが夫殺しの疑惑で裁判にかけられることに。ゴーレム事件を担当することになったスコットランドヤードの警部補・キルデアが調査に乗り出すが…。

 

@ネタバレ含みます

 

未体験ゾーン2018の何本目だろう…6本目くらい?19世紀のロンドン、連続猟奇殺人事件、華やかなミュージックホール…と、華やかでありながらどこか鬱屈とした当時の独特の雰囲気と、その空気感に相応しい物語が素晴らしかったです。

 

切り裂きジャックの現れるほんの少し前という時代設定、さらには四人の容疑者には学者のカーク・マルクス、小説家のジョージ・ギッシング、役者のダン・リーノといった当時の著名人が名を連ねていて、偽史ものっぽくてワクワク感がすごい。ほんとうにこんな事件があったのかもしれないと思わせる虚構と現実の狭間のような空気感がすごく良い。

 

物語はキルデアが推理をするシーンと、リジーがダン・リーノにより見出され喜劇役者として舞台に立つ半生と共に描かれます。物語を追う内になんとなく犯人の目星はついてしまうのだけれど、それでも犯人が明らかになるシーンは鳥肌ものでした。絞首台に上がったリジーを助け出したキルデアが証拠として提出したのはリジーの夫の書いた手描きの台本。特徴のある「m」の書き方はゴーレムの筆跡そのものでした。あとは書類にリジーが文章をしたためれば無罪放免…というところで、「I am...」と書き始めた瞬間に凍りつくキルデア。笑みを浮かべるリジーはあの筆跡で記しました。「I am Golem」……っていう一連の流れ、これ本当にゾッとした。きれいにキメたなぁ…!

 

幼い頃から貧困と女性差別の中で生きてきたリジーが世間からの注目の中央に立つことができたのがこのゴーレムだったものの、キルデアはそれを世間に明さないことを選んだのがまた刺さる…。世間を沸かせた猟奇殺人気のゴーレムではなく、ただの夫殺しの妻として刑に処されることこそ、リジーにとっての何よりもの罰なのでした。執行人に最後の言葉を促されて、観客のいない絞首台から「Here we are again!!(またの登場!)」と舞台の登場時の決め台詞を叫ぶリジーが狂気に満ちていて物哀しくて、これは刺さる。すごい良い。

 

リジーの物語は終演を迎えるものの、残された者たちの物語がすこしだけ続きます。死に満ちたステージの上に立ち続けるダン・リーノがすごく良かった…。この人だけはリジーの本当の姿に気付いていたような気がするなぁ。母親が死んで自由を得たリジーが初めて演芸場に足を踏み入れた時にダン・リーノが歌っていた曲がエンドロール後半で流れるのですが、この曲を聞いた時のリジーが目を輝かせていた姿を思い出すと、美しい世界に目を輝かせていただけではなかったのだと気付かされてゾッとして、その余韻がすごく良かったです。こういうツイストがあるからエンドロールまで席を立ちたくないのだ…!

 

さらにこのエンドロールの後に「アラン・リックマンに捧ぐ」とあり、もしや…と思ったら、キルデア警部補役は当初アラン・リックマンが演じるはずだったのですね。同性愛者の噂を流される孤高の警部補…なるほどたしかにハマりそう。アラン・リックマンの演技でも観てみたかったなぁ。

 

切り裂き魔ゴーレム [DVD]

切り裂き魔ゴーレム [DVD]

 

 

 ■関連リンク

切り裂き魔ゴーレム

切り裂き魔ゴーレム

 

原作本。原題が「Dan Leno & the Limehouse Golem」みたいなんだけど、もしやこれはダン・リーノが映画よりも描かれていたりするのだろうか。気になる。

黒い箱のアリス@ヒューマントラストシネマ渋谷


 

機械の義手をつけた美少女と喋る犬、そして黒い立方体/映画『黒い箱のアリス』予告編

 

■あらすじ
義手の少女・アリスは、森の中の近代的な自宅で父と犬の姿をした「母」と暮らしていた。ある日、アリスは森で大きな黒い立方体の箱状の物を見つけ、「彼らを信じないで」と自分自身の筆跡で綴られた紙を見つける。その後、父親が森で怪我をしていたという姉弟を連れ帰るが、不穏な気配が立ち込め始め…。

 

@ネタバレ含みます

 

未体験ゾーン5本目。すこしふしぎな近未来サスペンス。面白かった…!義手を付けた少女、言葉を話す器具を付けて少女に「ママ」と呼ばれる白い犬、そんなどこか歪な家族の暮らす近未来的な住居…と、序盤から意味深なシークエンスがいくつも提示されて、一体これはどういうことなのか?何を意味するのか?彼らに何があったのか?と気になって一気に引き込まれました。解決されないままなんとな~くふんわ~りとオシャレ~な雰囲気で終わってしまったらどうしよう…と思ったのですが、最後にはこれまでの経緯が全て明らかになってすっきり。

 

しかしラストはせつなかったな…。森の中の黒い箱はタイムマシンのようなもので、過去にそれに乗り込んだアリスが現在のアリスに警告を発していたがなかなか過去を変えることはできずそれを繰り返していた…というのが真相なのだけど、過去のアリスたち、つまりは黒い箱のアリスたちはどうなってしまうんだろう。惨劇の起こった世界線はそのまま存在し続けるのだよな…?と思うとぐるぐるしてしまうー。そういう空虚さもあって、原題は「Black hollow cage」なのかな。

 

家の形状が真っ直ぐ?の直線のようになっていて不思議だなぁと思ったんですが、この直線は時間の流れを表していたりするのだろうか。あと、暴行を加えるときや刺したり刺されたりするときは家の右側から左側というか、被害者が右側、加害者が左側になっていることが多かったような…気のせいだろうか?このあたりも時間の流れを模していたりするのかなぁと。どうでしょう。

 

鑑賞後にじっくり考えたくなる作品でした。誰かとああだこうだと話せたら楽しいのだけどなぁ。悶々!

 

■関連リンク

未体験ゾーンの映画たち2018