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ゆれる人魚@シネマカリテ

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■あらすじ
海から地上に現れた美しい人魚の姉妹・ゴールドとシルバー。ナイトクラブに雇われた二人は人魚特有のステージで観客を魅了するが、シルバーが人間の男に恋をしてしまう。それを契機に姉妹の心はすれ違い、やがて亀裂が入り始め…。

 

@ネタバレ含みます

 

とっても気になっていた本作、久々のシネマカリテで鑑賞です。シネマカリテのふかふかの椅子好き…。アンデルセンの「人魚姫」を原作としているものの、人魚の姉妹の姿は童話に描かれるようなピンク色や水色の鱗ではなく、鮒のような鈍い色合い。半身半魚の生々しい姿は不気味なはずなのに、なんだかやけに魅力的。人魚の姿の時は惜し気もなく上半身を晒しているのだけど、性的ないやらしさはまったくなくて、単なる生き物のありのままの姿のように見えるのが不思議。とても可愛らしい顔立ちできれいな身体をしているのに、人間とはまったく別の生き物のように見えました。すごい。

 

そしてこの作品、まさかのミュージカル仕立てで驚きました。予告も見ていたはずなんだけど、まったくそう思っていなかったので不意打ち…!でも音楽も衣装もキュートでダークで最高に痺れました。1980年頃のポーランドのナイトクラブの雰囲気や音楽、衣装がとてもキュート。どこかレトロな雰囲気で、でも当時の最先端!というきらめきもあって、人魚たちが謳歌したひとときの華々しさにマッチしていて、映像と音と物語のバランスが完璧にハマってます。最高。どの瞬間を切り取っても絵になるのではなかろうか。ミュージカル映画らしく、音楽もとても良かったです。「私は怒ってる」の曲がかっこよくて好きです。ポーランド語って耳障りが良いのかなぁ。

 

最終的にシルバーは人間の男に恋をして泡になって消え、それを許せなかったゴールドはシルバーの相手を噛み殺して水の中へと帰っていきます。どちらもある意味人魚として生き抜いたということなのかもしれないけれど、なんともせつないラスト。原題「Lure」は人魚→人なのか、人→人魚なのかと思うと感慨深い…。

 

目にも耳にもすてきな作品でした。人魚ちゃんズ可愛かったなぁ。水に棲む異形の生物、こわいけど魅力的。ところでシルバーちゃんがちょっと坂口安里に似ていると思ってしまったのはわたしだけだろうか…。笑

 

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 ■関連リンク

ゆれる人魚

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音源気になる…。ゆるっと聞いたら心地良さそう。

 

にんぎょひめ (学研・ひとりよみ名作 26)

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 1980年発行!このレトロな雰囲気がかわいい。