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背の眼(上)/道尾秀介

 

背の眼(上) (幻冬舎文庫)

背の眼(上) (幻冬舎文庫)

 

■あらすじ
福島県白峠村を訪れた作家の道尾秀介。村ではここ数年、児童の神隠し事件が起こっているという。河原を散策していると、妙な声が聞こえ てきた。そこは、神隠し事件で最初にいなくなった少年の切断された頭部だけが流れ着いた場所だった。この声は少年の霊の声なのか、気味の悪くなった道尾 は、予定を切り上げて東京へ帰り、霊現象を探求する友人・真備庄介に相談を持ちかける。
同じ頃真備は、白峠村とその隣町・愛染町で相次いだ自殺者の友人・上司たちから似たような相談を受けていた。死ぬ直前に撮っていた写真に写る彼らの背中に奇妙な眼が写り込んでいる、自殺する理由は何もなかった、その眼が自殺を引き起こしたのではないかというものだった。
Wikipedia背の眼」2015年7月11日 (土) 09:01(UTC)より

 @kindleにて

とりあえず上巻。ホラーでありミステリーでありという絶妙な配合。日本の集落独特のうっすらとした不気味さと怖さと、理路整然と怪異について説明する真備とのバランスが良くて非常に面白かったです。

天狗の話のくだりは民俗学的な面白さ!こういう土着信仰から成る祭事の背景にあるほの暗い不気味さってなかなか言葉で表現しにくいものがあると思うんだけど、とてもよく描かれていてぐいぐい読めました。こわいものほど見たくなる。

ゆっくりと話が動き出したところで上巻終了だったので、下巻にどう続いていくのか気になる~。こういう話は誰もかもが怪しく見えて困るんだけど、宿屋の主人も 駅員も川に佇む老人も誰も彼もが怪しい…。犯人当ての流れになるのか、それとも見間違い勘違いからくるものなのか、はたまた…と思うとラストが気になります。