■あらすじ
家庭を持ち、子孫を残すことが義務付けられた近未来。妻に捨てられてしまった男デイヴィッドは街のルールに従い、はずれにあるホテルへ と送られる。そこでは45日以内に自分の配偶者となる人を見つけなければならず、見つけられなかった場合は動物に姿を変えられてしまうという運命が待って いた。
Wikipedia「ロブスター_(映画)」2016年4月5日 (火) 22:46(UTC)より
予告を見た瞬間、「これは行かねば」と即座に鑑賞を決めたこの作品。少々出遅れてしまったけど、まだまだ満員で盛況でした。そして改修工事中の武蔵野館で使 われていた発券機がこっちに来ていてちょっと便利になってました。ワー!
武蔵野館&シネマカリテ名物の水槽芸はこちら。ロブスター。せやな。
「独身者が45日以内にパートナーを見つけないと動物に変えられる施設」という予告で知った設定の時点ですごかったんですが、実際に見るとまたさらに凄かった。
- 姿を変えられる動物は選ぶことができる(ここで主人公は「寿命が長いから」とロブスターを選ぶ)
- 連日連夜行われる婚活パーティー
- 「パートナーがいないと困ること」という寸劇が上演される
- 麻酔銃を手に、森へ潜む独身者への狩りが行われ、1人確保するごとにホテルでの滞在期間が1日延長される
- 自慰行為は禁止、違反するとトースターで手を焼かれる
- しかし性的欲求を促すため、男性には毎朝メイドさんが股間にお尻スリスリするがスリスリするだけで終わり
- パートナーが出来たら最初の2週間はダブルベッドの客室で過ごし、その後2週間はヨットの中で生活する
- ヨットでの生活の際は子供(小学校低学年くらい)が家族として組み込まれる
…というのがものすごく計画的で綺麗なフローとして運用されておりました。なんでこんなことを思い付いた!?まずその発想がすごい。何コレ…何コレ…?と思いながらも物語は淡々とブラックユーモアを交えつつ進行していきます。
やがて主人公は狂った暮らしから逃げ出して森の中の独身者グループ(レジスタンス的な集団?)に合流。こちらはホテルとは打って変わって恋愛禁止というなんとも両極端な環境。しかしここで主人公は皮肉にも恋に落ちてしまうのでした。…という、「やれと言われるとやりたくなくなる」なアレです。
そしてラストへ。あのラストシーン、どっちなんでしょうね…?私は「しなかった」方なのではないかと思うのだけど、友人は「した」方だと思うとのこと。うーん、どうなんだろう。
そう言えばレジスタンスたちのダンスパーティが「イヤホンで各自音楽を聴いてそれぞれが勝手に一人で踊る」というものだったんだけど、最近は日本でも騒音対策で盆踊りがイヤホン支給の無音タイプでやるところが増えてきたらしいね…。なんてことをふと思い出したりもしました。そういう意味でも現代の可笑しさが描かれていたのではないかと。