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エクス・マキナ@シネクイント


映画『エクス・マキナ』予告編

■あらすじ
検索エンジンの世界最大手・ブルーブック社に勤めるケイレブ。社内での抽選に当選し、社長のネイサンの住まう山荘に招かれる。人工知能のテストに協力するよう要請され、AIロボットのエヴァと出会う。ケイレブはエヴァに惹かれていくが、ある日エヴァから重大な相談を持ちかけられる。

 山中にひっそりと存在する世間とは隔絶された秘密の施設…という絵面だけで一気に引き込まれました。一面の自然と、カードキーで精密に管理された最新鋭の研 究所という対比が素晴らしく、単純にただただ格好良い。でもこれも人間と機械の対比だったりしたのかなぁ…と観終えて考えてしまった。

浮足立ったケイレブに依頼されたのは「チューリング・テスト」。人工知能が知的であるかどうか判断するためのテストで、一般的にはPC画面越しに文字のやり取りを介して行われるものだそう。画面の向こうで会話をしているのか「機械」か「人間」かを判断するため、対面してしまえばすぐに答えが出てしまう…のですが、ネイサンはAIであることを明かした上でケイレブにエヴァを引き合わせます。エヴァの姿はまるで人間そのもの。知的好奇心が潜んでいるのではないかというような瞳の瞬きひとつにいたるまで、ケイレブにとってとても好ましい「人物」であるように映る。まるで人間のようだけれど、人間ではない。エヴァは「She」ではなく「It」なのか?人 権はあるのか?命はあるのか?という問題に直面していきます。

登場人物は先述のケイレブ、エヴァ、ネイサンの三名に加えて、ネイサンの身の回りの世話をするキョウコのみ。このキョウコがどえらく美人なアジア系美女なのですが、このお話に見事に花を添えてくれました。ラストシーンで淡々と引導を渡すのは美しく格好良かったなぁ。

こういった作品は最終的に宇宙に旅立ったり大勢のAIの仲間たちが現れたり…と派手なラストを迎えることが多い気がするのですが、エクスマキナは淡々と静かに終わりを迎えて、そこがとても良かった…。

いやはや、すごく面白かった~!もっと公開拡大してほしいな~。