■あらすじ
1870年代のアメリカ西海岸の小さな町、ローズ・クリーク。金鉱のあるこの町では、大富豪・ボーグにより強引かつ暴力的な地上げが進められていた。そんな中、ボーグに夫を殺害された未亡人・エマが町の住人から資金を集め、賞金稼ぎのサムに助けを求める。サムは偶然出会ったギャンブラーのファラデーや旧友で凄腕のガンマンのグッドナイトを始めとした七人の男を集め、ローズ・クリークへの町へと向かう。
※ネタバレ含みます
『七人の侍』の西部劇でのリメイク版『荒野の七人』のリメイク版…という位置付け。七人の侍は子供の頃におじいちゃんと一緒に観たことがあるのだけど、本当に小さかったので全然覚えていない…。でも戦闘シーンがかっこよかったということだけは覚えていて、今回この作品を観て「そうそうこの感じ!」と思い出しました。
キャラクターが大変に格好良い!お調子者のギャンブラーのファラデー、サムの旧友で凄腕のガンマンのグッドナイト、グッドナイトの相棒でナイフの達人のビリー、お尋ね者のメキシコ人のバスケス、信心深い怪力男のジャック、ネイティブアメリカンのレッド・ハーベスト。彼ら七人がとにかく格好良い。かっこよすぎて涙が出るレベル。あまり多くは語らないものの、たった一言の言葉やたった一発の銃弾が雄弁に物語るという素晴らしさ。
仲間集めのシーンではどうしてサムに協力する気になったのかという心情を細かく描くことはないのですが、それぞれの持つバックグラウンドから想像するのがとても楽しい。そういう空白が程よくて、観客に委ねてくれるのもまた良し。レッド・ハーベストとボーグ側のインディアン男のネイティブアメリカン対決はもっとがっつり観たかったなぁ。物足りなさを感じたそのくらいで、あとは全てがいい塩梅でした。
男たちの絆もとても良い…!グッドナイト&ビリーのコンビが最高でした。グッドナイトの冗談にビリーだけが笑ったり、グッドナイトをビリーがさりげなくフォローしたり、すごくいい関係でした。どんな風に出会ったのかとか、非常に気になる。コンビと言えば、中学生みたいにからかい合うファラデー&バスケスも可愛かったなぁ。ファラデーがやられると激おこオーバーキルで棺桶送りにしちゃうバスケス。いいライバルだなぁと微笑ましかったです。
あと、レッド・ハーベストの「腹減った」のシーン!あの一言で他の面々との距離がグッと縮まったなぁという感じ。そして町での戦いの時、躊躇なく銃を使ったのも格好良かった。特に言及されていたわけではないけど、ネイティブアメリカンが迫害された時に使われたであろう銃を躊躇なく手にしたと思うと痺れるし、英語もわかったということはもしかして白人と何らかの出会いがあって銃を使ったことがあって(そもそもあの一発からして使いこなせていたし)、それが部族の長に「お前は違う」と言われた理由だったり…?等と色々と考えてしまった。ただの空想というか妄想なのだけど、そういう行間がとても良かったです。
そんな風にキャラクターへの思い入れがめちゃくちゃ深まったものの、半数が命を落としてしまうことに…。でも、死んでしまう人たちにもちゃんと救いがある。彼らは自分のすべきことを完遂したし、矜持が折られることもなく、赦されて散って行ったのが良かったなぁ…。ちゃんと意味のある死だったのだと思います。「死の天使」グッドナイトが地に落ちて、その役目を終えた…という流れが素晴らしかった。
キャラクターについつい目が行ってしまうのだけど、アクションも凄かったです。サムが馬の片側に乗って撃つシーンがめちゃめちゃかっこよくて痺れました。ビリーのナイフを使った近接戦も良かったし、バスケスの二丁拳銃も格好良かったし、ジャックのバーサーカー的な突っ込み方も凄かったし、ギリギリの場所での命の取り合いに一秒たりとも眼が離せない。というかもう目が足りない。1カメの映像も2カメの映像も3カメの映像も全部くれ!!コンマ1秒たりとも見逃せない格好良さ!
すごく良い映画を観た!という多幸感でいっぱいです。素晴らしき作品だ…。
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