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パトリオット・デイ@シネマサンシャイン池袋


『パトリオット・デイ』60秒予告

 

■あらすじ
2013年4月15日。警察官のトミーは、ボストンマラソンの警備の業務に当たっていた。次々にゴールするランナーに湧き上がる中、突如として客席で爆破テロが起こる。FBIや上官とぶつかり合いながら犯人を追う内、やがて黒い帽子の男と白い帽子の男が容疑者として浮かび上がり…。


※ネタバレ含みます

記憶に新しいボストンマラソン爆破事件を映画化した作品。事件からあまり日が経っていないのに映画化ってすごいなぁ。

主人公はトミーですが、彼だけが実在しない人物で、それ以外の関係者はほとんどが実在の人物だそうです。そんなトミーを中央に置いてさまざまな登場人物が交錯し、群像劇のようなに描かれているので、登場人物が多くてもすごく見やすかったし、「あれこれ誰だっけ?」というのが全然なくてすごい。穏やかな日々を過ごす若いカップルや、女子大生に思いを寄せる警官、チャラいのにどこか憎めない中国人留学生など、序盤に出てきた様々な人物が様々な形で事件に絡め取られて行くのですが、事件の概要を調べてから観たので、どんなことが起こるのか分かっていてもスクリーンの中では書き換えられてくれないだろうかと願わずにはいられなかった…。

テロに直面した様々な人々が丁寧に描かれていて胸に迫るものがありました。8歳の男の子の亡骸の傍に佇み続けた警官、台詞は一つもなかったけど本当に見ているだけで心苦しくなった…。犯人を少しでも早く見つけるため、遺体さえも「証拠」となってしまったのだと分かってはいても辛いよなぁ…。あと、終盤の一斉射撃の際にFBIに「下がっていろ」と言われて「ここは私の町だから私が守る」という女性警官、格好良かった!それに対してFBIが「君がいて心強いよ」と返すのもまた良い。

ただ一つ残念なのは、容疑者である「白い帽子の男」を見つけたのがFBI職員であること。実際の事件では市民から映像を募り、入院していた被害者がその映像から爆発物を置いた男を断定したのが始まりだったのだとか。そのあたりの流れも事実と同じようにしてほしかったなぁ…。でも、街をよく知るトミーが逆算しながら男の辿った道を明らかにしていくのは良かった。あの町に暮らした人があの町を傷つけた犯人を見つけ出すという流れは胸熱。そして巡査部長がめちゃめちゃ格好良かった…!

街中での銃撃戦などを目の当たりにするとフィクション映画のような気がしてしまうのですが、最後の最後に現れた実際の関係者たちの映像を前にすると辛いなぁ…。日本にいるとテロは遠い世界の出来事のように感じてしまうのだけど、被害者ひとりひとりだって生活があって大事な人がいて好きなもののある一人の人間なんだよなぁと改めて思った次第。

ひとつ謎だったのが、容疑者の妻の取り調べの時に出てきた謎の組織。FBIさえも間に挟めないほど強権を発動していたけれど、あの人達は何者だったのだろう…?

 

Patriots Day

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