sasame-goto.

映画や本やおいしいものについて

ネオン・デーモン@UPLINK


エル・ファニング 映画 『ネオン・デーモン』 予告編

 

■あらすじ
モデルを夢見てジョージアの田舎町からロサンゼルスに単身やってきた少女・ジェシー。生まれ持っての美貌を武器にモデル事務所へ足を運ぶと、すぐに社長の目に適い契約が成立する。著名なデザイナーやカメラマンに見初められ、順調にファッション業界で歩み始めたジェシー。しかし、そこは嫉妬と愛憎の渦巻く場所だった…。

 

※ネタバレ含みます

世間では酷評されているようですがとてもよかった!!ファッション業界で生きる女たちの美しさと儚さと狂気を描く…というより抉り出すような本作、どこもかしこも魅力が満載でした。映像がとにかく綺麗で、色彩と音が素晴らしかった。美しい画面を彩るインダストリアルな音楽や瞬くネオンの中で紡がれる物語に痺れっぱなしでした。

一番最初のジェシーのカット(DVDジャケットやチラシでキービジュアルとして使われているものです)がとんでもなく美しくて、そこからラストまでただただ見惚れ続けてしまった。ジェシーが本当に美しくて魅力的!

女性たちがとにかく美しい。美しく強かな様を見事に撮っていたと思います。次々に禁忌に触れて堕ちて行く様も凄まじかった。それでも、最後までカメラの前で立っていた者が「勝ち」。美しい世界はどうしようもなく狂っている。良い。

ストーリーはなかなかに抽象的で、考え始めてしまうと難解なシーンも多かったな。月明かりの中でルビーの中から液体が溢れるシーンは何を表していたのだろう…。死姦やカニバリズムまで出てくるとは思わなかった。ショービズ界を描いたオサレ映画だと思って鑑賞したら痛い目を見そう。笑

「この人めっちゃキアヌ・リーブスに似てるな」って思ってた人が本当にキアヌだった。キアヌの無駄遣いと評する人もいるかもしれないのだけど、時に何を考えているのかわからない光のない眼差しはなかなかに役にはまってたんじゃないかなぁと思う。この作品においてキアヌ演じるこの管理人だけがジェシーを特別視しなかった(性対象にしていたけど、ジェシーが無理だと分かるとすぐに隣の別の少女に移ったので誰でも良かったのだと思う)ので、ある意味重要な立ち位置だったんじゃないかとも思います。

 

ネオン・デーモン [Blu-ray]

ネオン・デーモン [Blu-ray]

 


■関連リンク

ネオン・デーモン オリジナル・サウンドトラック

ネオン・デーモン オリジナル・サウンドトラック

 

音楽が本当に格好良かったなぁ。久し振りにサントラを買わねばと思う映画に出会えました。