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天使のナイフ/薬丸岳

 

天使のナイフ (講談社文庫)

天使のナイフ (講談社文庫)

 

 ■あらすじ
コーヒーショップのオーナー・桧山は、4年前に少年三人により妻を刺殺された過去を持つ。一人娘の愛実と二人で暮らしていたが、ある日、妻を殺害した加害者の内の一人が殺害されたことを知る。事件当時、加害者が少年法で護られたことで「加害者を殺してやりたい」とマスコミに発言してしまった桧山に容疑がかかっていると知り、少年たちの現在を知ろうと事件後の足取りを辿り始める。関係者を辿る内、事件の真相に近付いていき…。

 
※ネタバレ含みます

江戸川乱歩賞受賞作ということでなんとなく手に取ってみたらめちゃめちゃ面白かった!少年法を扱っている作品なのでいろいろ考えさせられることもあるのですが、とても良いミステリー作品です。

二段オチ三段オチどころか五段オチくらいまで転がっていって、怒涛の展開のラストは驚きの連続。あの人もこの人も関連していた…というのはちょっと偶然が過ぎるような気もしたけど、それはそれでアリかな…?歩美は明らかに怪しかったのだけど、まさか丸山と繋がっているとは。というか丸山があんな変貌をするとは。その上、殺された妻の祥子と娘の幼稚園の先生であるみゆきが過去に少年犯罪を犯していたり、果ては祥子の事件の時の弁護士の過去まで…と繋がりすぎていて怒涛の展開すぎる!

それにしても、福井くんに幸あれ…と思わずにいられない。とっても良い子だったので、彼には幸せになってほしいなぁ…。