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映画や本やおいしいものについて

MAMA@DVD

 

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■あらすじ
共同経営者と妻を殺害した会社経営者のジェフリーは、3歳と1歳の娘・ヴィクトリアとリリーを攫って森の中の小屋に逃走した後、何者かに殺害されてしまう。五年後、ジェフリーの弟であるルーカスが小屋に取り残されたヴィクトリアとリリーを見つけ出す。「ママ」に育てられたという姉妹は、四本足でまるで獣のように振る舞うよう成長していた。

 

※ネタバレ含みます。

ホラー映画鑑賞会ラストの1本!絶対怖いだろうと楽しみすぎた本作、やっぱり怖かった。しかし友人と一緒に観てるので「なんかいるーーー!!!」「妹がなんか見てるーーー!!!」とギャアギャア大騒ぎ。た、たのしい…!そして一本前に観た「ライト/オフ」のノリがまだ抜けなくて、電気が点滅するたびに「ダイアナが来るぞ…!」状態。ダイアナVSママ。貞子VS伽耶子かよ。

というかMAMAの造形が本当に怖い。序盤は姿をほとんど見せることなく、ただただ「いる」ということだけを示してくるのですが、これがめちゃくちゃ怖い。妹ちゃんと「人外の何か」がタオルケットでキャッキャと遊んでいるシーン、じんわりと怖い…。

そしていよいよ姿を現した瞬間もヤバイ。エクソシスト並のダイナミックブリッジダッシュ。子供たちを取り返そうとするのになんでその格好で走るのを選んだの!?そのスタイルが一番速いの!?ブリッジが!?なんで!?こえーーーーーーーよ!!!!!!!素晴らしき異形でしたよ!

そして妹の怖さが天元突破しはじめます。おもむろに蛾を食ったり、変な格好でしゃがみこんだり、ベッドの下にいたり…。ラストシーン、MAMAとの直接対決からようやく子供達を引き離す事に成功したのに、「ママ…」とMAMAを求めてしまう妹ちゃん。一度はなんとか逃げ切れそうだったのに再びピンチに。「もう妹のことは諦めよう!」「本人の意思だし!!!」とクズな我々。そしていざ妹がMAMAと共に連れ去られると「妹ーーーーーーーーーー;;;;;;;;;」と勝手が過ぎる我々でありました。

これにてホラーDVD観賞会終了!いやー怖面白かった!ギャーギャーしながら観れるの良いな~たのしい!これは定期的に催さねば…!

 

Mama (字幕版)

Mama (字幕版)

 

 

ライト/オフ@DVD

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■あらすじ
電気が消えた暗闇に不気味な何かが現れて眠れなってしまった少年・マーティン。そんな弟を心配して父親違いの姉・レベッカが久し振りに実家に戻ると、母親は姿の見えない「何か」と語るようになっていた。不穏な家で一夜を明かそうとするが、暗闇と共に「何か」が現れる。やがて、母親と「何か」の関係が明らかになり…。

 

※ネタバレ含みます

友人とのホラー映画上映会にて鑑賞。「スケア・キャンペーン」に続き2本目。序盤のマーティン父の職場の女性が電源をカチ…カチ…とする度にマネキンのようなもの(※ダイアナ)が何度も浮かび上がったのち、5、6度目で急接近してゴバァ!って来るの怖すぎかよ!!!!!「3回目くらいでそれやってよ!!!!」「5回以上やられたら油断するわ!!!!」とギャアギャアと総ツッコミしてめっちゃ楽しかった。DVDで観れるっていいな 笑

これは怖いと思ったんですが、物理的に戦える相手だいうことが判明。ブラックライトで姿を視認できるようにした状態で光を浴びせて焼け焼け焼けー!!という、大変に原始的な戦法が有効でした。思いの外脳筋プレイなんだな…笑

ブレットがめちゃくちゃいいやつでワンコ男子すぎて最高でした。最初の登場時は「クズっぽい」「またクズ男か(※スケア・キャンペーンの次に観た)」「バンドマンか、クズだな」「クズ確定」と散々だった馬評を覆しまくるブレット氏でありました。スマホの光を使ったり車のキーの遠隔操作でライトを点けたり、最終的には警察まで呼んでくる万能わんこ…!後から出演作を調べたのだけど、あまり映画には出演していない模様。人気出そうだけどなー。

特典映像にはレベッカとマーティンとブレットのNGシーンとか入ってるのかな?きっとかわいいよね!!と思って観たら、本当の未公開シーンでした。あーこのシーンとこう繋げるつもりだったのね、というものが2つと、本当のラストが1つ。母親の葬儀を終えた三人がレベッカの家に戻るシーンから。ここ、三人が親子みたいでとても微笑ましかった。喪服だけど。しかし、再び三人に忍び寄るダイアナの魔の手。しかし、部屋中にブラックライトを用意した後にナイター用の照明でダイアナを焼き尽くす事に成功!めでたしめでたし。…というエンドだったのだけど、本当にそれがラストだとお母さんは何のために…?という話になってしまったので、本編の通りで良かったんじゃないかなーと思います。

すごく面白かった~!怖いんだけど面白いので真夏のホラー鑑賞会にはオススメです。

 

 

スケア・キャンペーン@DVD

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■あらすじ
「スケア・キャンペーン」は人気のドッキリ番組だったが、無料動画サイトの過激な映像に押されて視聴率が急落。そこで、廃墟となった精神病院を舞台に大掛かりな番組を企画を打って起死回生を目指すことに。ディレクターのマーカスや仕掛け人役をこなすエマ、新人女優のアビーがお膳立てをしてターゲットのローハンを招き入れるが、なんと現場で本物の殺人が発生してしまう…。


※ネタバレ含みます

 

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夏なので友人とホラー映画鑑賞会を開きました!「スケア・キャンペーン」「ライト/オフ」「MAMA」の3本立てです。本当はホラーは2本にして最後の1本はコメディとかスパイアクションにしようとしてたんだけど、この3本から1本たりとも諦めることができなかった…笑

そんなこんなで一本目は「スケア・キャンペーン」。再生するとメニュー画面なしで即本編の始まる潔さが良い。何故だか幽霊モノだと思っていた我々、ローハン無双に「物理的なやつだ!」と察する。なんで幽霊だと思ってたんだろうな!?早々に消えたペーパーナイフに気付く友人がすごかった。コナンくんかよ。わたし全然気付かなかったよ。そして案の定そのペーパーナイフでターゲットのはずのローハンが仕掛け人をアーッ!という流れ。ローハンの狂った笑いが大変に怖い。

ローハンだけではちょっとパンチと尺が足りないのでは…と思ったら、事態はさらにくるりんと回って、さらなる闖入者が発生。序盤で話題になっていた無料動画サイトでリアル殺戮配信をする集団・マスク・フリークスです。エマたちを取り囲んだ…と思ったら見逃がしたり、謎の動きを見せつつも追いつめていく彼ら。

しかしエマたちもただではやられません。院内にある武器っぽいものを手に応戦!途中でエマが手にした万能ナイフの枝切バサミバージョンみたいなやつが強すぎて笑った。刺す→掴む→引きずり出すという万能っぷり。一方のマーカスのポンコツっぷりときたら…お前…。役に立たないにも程がない!?エマは何かしら武器を手にするんだけど、マーカスは延々と手ぶらだし、終始情けないし、そりゃ最後にエマも見切るわ…。

そしてエマがアビーを助け出して二人で逃亡…なのですが、どうやらアビーもマスク・フリークスの一員のようで、エマが車内に仕掛けられたカメラに気付いたところでエンドロールへ。全滅エンドなんだろうなぁ。エマだけは生き残るような気がしていたけどそんなに甘くはなかった…。後味の悪さが良いなぁ。

 

スケア・キャンペーン [DVD]

スケア・キャンペーン [DVD]

 

 

グリーンルーム@新文芸坐

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■あらすじ
パット率いるパンクバンド・「エイント・ライツ」。鳴かず飛ばずの日々を送る中、とあるライブハウスへの出演を依頼されるが、なんとそこはネオナチの根城だった。その上、演奏を終え戻った楽屋で殺人現場を目撃してしまう。不穏な空気を察して楽屋に閉じこもったパットたちに、ネオナチのリーダーは抹殺を企てる。果たしてパット達は無事に逃げ出すことができるのか。

 
※ネタバレ含みます

見逃がしていたところ新文芸坐ありがとうシリーズ。ラスト一本割での鑑賞だったのですが、劇場内に入ったらパンク曲がかかっていてとても良い感じでたいへんテンションが上がります。

そんなこんなでテンション高く鑑賞。頭の中で「グリーン・インフェルノ」と混ざっていて、冒頭のトウモロコシ畑に車が突っ込んでいたシーンで「ここで原住民が出てくるのか…」と謎の予想をしてしまった。出てくるわけがない。ネオナチ+食人鬼ってカオスすぎるだろう。

物語は至ってシンプル。やべえ奴らにやべえ場所に閉じ込められて殺されそうなので逃げなきゃ!という流れです。パンクバンドとは言えどこか少し情けない面々には同情するしかなく、なんとかうまく生き延びて欲しいと願うのですが一人また一人と比較的あっさり殺られてしまいます。あまり騒ぎになってはまずいからと、少数精鋭+犬で静かに現れるネオナチ軍団の淡々とした行動が怖すぎる…!スリル抜群でした。

犬に首をガブガブされたりヘッドショットを食らったり、ドバァなシーンも多数。千切れ掛けるほど切られた腕をダクトテープでグルグル巻きにするシーンでは「痛い!」という気持ちと「アホか!」という気持ちが混ざり合ってもうどう反応したらいいのかわからずフフッてなってしまった。

楽屋からの脱出→建物からの脱出→外へ…と、徐々に広い場所に出て視界が開けて行くのに、終始不安が付きまとうのが秀逸。最後に出てくる「好きなバンド」の話がとてもよかった。上手いなぁ。

 

グリーンルーム [DVD]

グリーンルーム [DVD]

 

 

グラン・トリノ@新文芸坐


グラン・トリノ(予告編)

 

■あらすじ
朝鮮戦争での従軍経験を持つ偏屈な老人・ウォルトは、妻に先立たれ、愛車のグラントリノと愛犬と共に孤独に暮らす日々を送っていた。そんなある日、隣家にモン族の少年・タオ一家が越してくる。まるで文化の異なるタオ一家に苛立つウォルトだったが、ひょんなことから心を通わせるようになる。しかし、モン族のギャンググループがタオ一家に手を出し始め…。



※ネタバレ含みます

見逃がしていた大作シリーズ。新文芸坐さんのおかげで無事にスクリーンで観れました。ありがたや。

重い話なのかなぁ…というイメージがあったのですが、決してそれだけではなく、ウォルトの気心の知れた友人とのやり取りは軽妙で楽しくて、ウォルトの偏屈で頑固なだけではない別の面が垣間見えた気がします。床屋のおじさんと軽口を叩くやり取りがすごく好き。そこにタオを連れて行って男のやり取りを教え込む流れもよかったなぁ。あと、隣の家のお婆さんとの全く成り立ってないやり取りも良かったです。老婆との最後のやり取りで吐き捨てるように言った「はいはい愛してるよ」の台詞もとても良かった。汝隣人を愛せよ…。

ラストシーンでウォルトの取った行動は、あの時の自分と相手を重ね合せていたんだろうなぁ。戦場で自分は無抵抗の少年兵を打ち殺した、だからこそ奴らは絶対に撃つという勝算があったのだと思うと…。ラストに至るまでの「準備」もまた泣ける。身を清めて、大事な犬を託して、友人の元で髪と髭を整えて、スーツを整えて、そうして確信を持って臨んだんだろうなぁ。

というわけで大変に感動してラストはズビズビになってしまってもう頭痛がするレベルになりながらヨロヨロと帰宅しました。クリント・イーストウッドって映画つくるのうまいなぁ…と、今更ながらすごく思いました。派手な演出は一切なく、大仰な台詞もないのに刺さる。決して奇を衒った設定でも脚本でもないのに、感動してしまうのだ…。世界的に有名な巨匠だというのは十分に理解しているつもりだったけど、なんというかこう、これまでより近い感覚で「すごい人だなぁ」と改めて思った次第。

 

 

グラン・トリノ [DVD]

グラン・トリノ [DVD]

 

 

ディストピア パンドラの少女@ヒューマントラストシネマ渋谷

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■あらすじ
ウィルスのパンデミックにより人類のほとんどがゾンビのような「ハングリーズ」と化した近未来。フェンスに囲まれた軍事施設では、ウィルスに感染しているにも関わらず見た目に変化がなく比較的自我を保ち続けることのできる子供達が収容され、ワクチンを作るべく研究されていた。そんな新世代の一人であるメラニーは、子供達の中でも特別な才能を持っていた。

 

※ネタバレ含みます


さ、最高に面白かった…!ゾンビ映画というよりSF映画なのではないかなぁ。でも、もはやジャンル分けなんてどうでもいいってくらい面白かったです。

序盤に世界設定を細かく語らず、見せるだけの演出に留めるので自然と設定が理解できて、うまいこと物語に入り込めました。「これはどういうことなんだ…?」と思っていたことが、少し後になって「あぁなるほど、そういうことだったのか」と腑に落ちる…という見せ方が上手い。ガイドが自然というか、説明がましくないのがとても良かったです。初めて外の様子が映った時は「アーーー!!!そういうことになってるからなのねーーーー!!!!これはヤバイ」と事態を把握できました。

ラニーと先生の関係性が良かったな~。教師と生徒とも、疑似母娘とも違う独特の関係性で、二人の間に漂う信頼や思慕の気持ちが素晴らしかった。壊れそうで壊れないバランスの、そこはかとない儚さも良い…。これはこれで愛だ。それはもううつくしい愛なのだ。

そして何よりこの作品、ラストが素晴らしい。そもそもこの出来事は人間VSウイルスの攻防ではなく、メラニーたち第二世代への世代交代、つまりは進化であって、旧世代の人間は淘汰されたに過ぎないのかもしれない…と思うと、なかなかに趣深い。それでもメラニーは先生を「大事にする」というのがまたなんとも良い。

「先生」のいるちいさな箱庭を取り囲むのは果たしてディストピアなのかユートピアなのか。いやはや素敵なお話でした…。


■関連リンク

パンドラの少女〈上〉 (創元推理文庫)

パンドラの少女〈上〉 (創元推理文庫)

 
パンドラの少女〈下〉 (創元推理文庫)

パンドラの少女〈下〉 (創元推理文庫)

 

セールスマン@シネマカリテ


映画『セールスマン』予告篇

■あらすじ
教師のエマッドは妻のラナと共に劇団に所属し、「セールスマンの死」の舞台初日を控えていた。そんな中、アパートが老朽化し引っ越しを余儀なくされる。しかし、転居して間もないある晩、ラナが何者かに暴行を受けてしまう。ラナが真相について一向に語ろうとしな中、犯人の手掛かりを見つけ出したエマッドは自力で犯人捜しを開始する。

 

※ネタバレ含みます

イラン映画なのですが、わたしの知っている世界とまるで違う常識に溢れていて、ストーリー以前に理解が追い付かないことばかりでした。女性が暴行されても警察に行けない上、行ったとしても、被害者であるはずの女性に非があるとされる場合もあるのだとか。とにもかくにも男性主導で、女性は言葉少なに従うのが当たり前で、そういうシーンを目にする度に悶々としてしまった。わたしはまるでこの国のことを知らないのだなぁ…。

ラナを襲った男はパン屋の主人であることが判明。男と対峙したエマッドは、結婚を控えている娘とその婚約者、そして35年連れ添ったという妻に事実を話せと詰め寄ります。その必要はないと諌めるラナを黙らせ家族を呼び付けるものの、男は心臓発作に襲われてついには命を落としてしまう…というなんとも後味の悪いラストでした。

劇中劇『セールスマンの死』の上演シーンが何度となく挿入されるのですが、穏やかだったエマッドが徐々にセールスマン役と同化していくように変化していく…ということを表していたのかな。ラナが感情を露わにして反論するのも劇中だけだったような気がする。なかなか難解で消化しきれていないのだけど、そもそも劇中劇であるこの作品をを観ておくべきだったな…。


■関連リンク

セールスマンの死 [DVD]

セールスマンの死 [DVD]