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夏を殺す少女/アンドレアス・グルーバー

 

夏を殺す少女 (創元推理文庫)

夏を殺す少女 (創元推理文庫)

 

 

■あらすじ
マンホールに落下して溺死した元小児科医、山道を運転中にエアバッグが作動して事故死した市会議員――オーストリアで連続して不自然な死亡事故が多発する。そんな中、弁護士・エヴェリーンの先輩弁護士まで謎の不審死を遂げた。一方、ドイツでは精神病院内で少女の不審死が起こり、刑事・ヴァルターが調査を開始する。エヴェリーンとヴァルターが事件を追う内、無関係に見えた事件に同じ少女の姿が浮かび上がり…。


※ネタバレ含みます。

kindleでセールしていた+このミス海外部門受賞ということで軽い気持ちで手に取ってみたら、ものすごく面白かった!オーストリアとドイツでそれぞれ発生した連続不審死事件を追う女弁護士と男やもめの刑事、それぞれの視点で物語が展開していくのだけど、とにかくスピード感がアツい。後半で徐々に二人の距離が近付くあたりは手に汗握ります。

映像化前提で書いているのかと思うほど、章の切り替えのタイミングが映画的。何かに気付くor何かが起こる→別の視点へ、という流れが多いので、寝る前に読むと本を閉じるタイミングを逃しまくって夜更かし不可避。笑 冒頭の殺人のシーンは映像化しにくいけど、犯人目線で描いても面白そうなので、映像でも観てみたいです。

海外小説独特のウィットに富んだ言い回しも面白かった!エヴェリーンとパトリック、ヴァルターとゾーニャの今後も気になる。エピローグ的なシーンでのヴァルターと娘ちゃんのやり取りがとても微笑ましくて、重い事件の後の唯一の清涼剤でした。

■関連リンク

刺青の殺人者 (創元推理文庫)

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なんともいいタイミングで新刊が発行されておりました。セールはこの新刊のためだったのだな…!