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クリーピー 偽りの隣人@シネ・リーブル池袋


『クリーピー 偽りの隣人』予告編

■あらすじ
元刑事の犯罪心理学者・ 高倉。妻の康子と共に新居に引っ越し、不気味な隣人・西野に違和感を抱きながらも平穏な日々を過ごしていた。ある日、同僚の研究資料から六年前に発生した一家失踪事件について知る。たった一人の生存者である当時中学生だった長女の早紀に連絡を取るが、記憶が混濁しており手がかりを見つけ出すことは叶わなかった。そんなある日、西野の娘・澪に「あの人お父さんじゃありません。全然知らない人です」と明かされる。

久し振りの邦画サイコサスペンスもの。とにもかくにも西野が怖すぎた。上滑りな会話の端々に滲み出る異様さや、歩き方や視線の移し方などのちょっとした仕草がものすごく不気味。ささやかな違和感が積み重なることによって生じる怖さというか、「あの人はおかしい」と一言で断じることのできない小さな異常性がいくつもいくつも出てきてめちゃくちゃ怖かった…!

 

なんていうかこう、加算式の評価だと「ちょっとおかしい」が積み重なって「おかしいポイントが100ポイントを越えたのでこいつはおかしい」ってジャッジができるんだけど、減点式の評価だと「ちょっと変だけどマイナスするほどじゃないかな…?」っていう感じで判断がつかないままになってしまう、というか…。ゆえに「いい人」ほど西野に騙されいってしまうような気がしました。

西野の異様さに目を向けがちですが、高倉もなんだかおかしいと思ったのはわたしだけだろうか。猪突猛進過ぎるというか、時折みせる躁すぎるテンションがちょっと怖かったりした。彼は彼で少なからず平均から逸脱していたような気がします。ゆえに西野との対決が異常VS異常の戦いのように見えて、主人公=正義、という図式にいまいち当てはめることができず。「怖い」という感想に終始してしまった。西野も高倉もどっちも怖いよ…!画面から感じるストレスが半端なかった。

ストーリーについては突っ込みたいところがいろいろあったのですが、行間を読ませるタイプの作品なのかなぁ…。しかしその空白が広すぎたり唐突すぎたりして読み切れなかったところも多々。ミステリーや推理物ではないにせよ、ご都合主義すぎる…と言ってしまうと少し言葉が悪いかもしれませんが、いろいろと気になってしまってストー リーに嵌れなかった。何故警察は西野について調べようとしないのか?野上のPCのデータの行方は?野上の車やGPSから足取りを追えなかったのか?谷本についても何故追えないのか?あの薬の正体は?…等々、どういうことなのだろうかと気がかりな点が多すぎて…!

原作本は映画とはかなり違った展開のようで気になる~!って思ったらkindleで半額になっていたのでポチりました。読むの楽しみ~!

 

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